株価暴落時の対処法を考える

その他のリスク

株式市場において株価は常に変動しているのですが、時には市場全体の株価が一斉に下がってしまうこともあるのです。
暴落してしまったとき、冷静に対処できなければ傷口を広げることになるため、常に想定して対処法を考えておく必要があるでしょう。
主な対処法について、解説します。

株価が暴落するのはなぜ?

株式市場において取引される株式の価格は、売買のバランスによって上下していくため、銘柄によって異なる値動きをすることとなるでしょう。
しかし、時には暴落といって、上場しているほとんどの銘柄の株価が一斉に大きく下がってしまうこともあります。

株価は、企業の業績や景気などを基として売買の注文が出されたときに、注文数によって変動するのです。
買い注文が多い場合は株価が上がっていくのですが、売り注文が多いと株価は下がってしまいます。

売りが優勢となったとき、大量に保有している投資家が不安を抱いて多くの株式を売却しようとしたとき、暴落が起こってしまうのです。
売りをみて、さらに不安を抱く投資家が出てきて売却される数量が増えると、連鎖的に株価が下がっていきます。

連鎖的に売りが増えていくと、だんだんと株価が下落する速度は速くなっていき、市場全体に広がっていくのです。

最初の売りのきっかけとなるのは、企業の業績や成長性、景気や金利の変動、為替相場の変動、国際情勢、政治的な要因、自然災害や重大事故などがあります。
事故や災害が起こったときは企業活動へと直接的な影響があるかもしれない、将来業績が悪化するかもしれないと懸念され、売りが増えてしまうこともあるでしょう。

株価の暴落時に避けるべき行動

株価が大きく下がってしまうと、さらに下がることを危惧する人も増えるのですが、ピンチのときこそ冷静に対処しなくてはいけません。
特に、多くの人がとりがちな行動の中には絶対に避けた方が良いものもあるのですが、どのような動きを避けるべきでしょうか?

急に株価が大きく下がってしまうと、慌てて冷静な判断ができなくなるため、つい自分も売りに走ってしまうケースがあります。
狼狽売りと呼ばれる行動で、今後の値動きを予想したうえで売却するのではなく、単に含み損が増えるのを怖がって売却している状態です。

しかし、冷静に判断しないで売却すると損失が大きくなりやすいため、まずは落ち着いて判断しましょう。
株価は、ある程度下がった後はまた回復してくるため、含み損があってもしばらくは様子見をしておいた方が良いのです。

しかし、売却してしまえば含み損が確定した損失になってしまい、回復してきたとしても利益を得るのが難しくなってしまいます。

まずは情報を集めて状況を確認し、冷静に分析して自身の計画などをチェックして売却するべきかどうかを判断するべきです。
感情的な判断を下さないようにして、落ち着いてから売却するべきかそうではないかを判断しましょう。

また、積立投資によって長期的な資産形成を考えているのであれば、投資金額を減らしたり中断したりするのはやめた方が良いでしょう。
短期的な値動きに左右されず、同じ金額をコツコツと積み立てていくことを続けることが、安定した資産形成につながります。

株価が暴落した時の対処法

もしも株式市場が全体的に下落トレンドとなってしまい、自身が保有している株式の株価も下がってしまっているときはどのように対処するべきでしょうか?

投資を長く続けていこうと考えているのであれば、様子を見て市場の動きを確認することから始めましょう。
株価はだんだん元に戻っていくため損失も少なくなっていき、元の状態を上回ることも多いのです。

投資初心者の場合は、株価が暴落したときに短期的な取引で利益を得ようとするのはお勧めできません。
底値を見極めるのは非常に難しく、慣れている人でも見誤ることがあるため、損をするリスクが高いのです。

売却するタイミングを間違えると、利益を確定することができず損失を確定させてしまうこともあります。
保有し続けていれば、市場が回復するにつれて株価も上昇していき、利益を得られる可能性が高くなるのです。

全体の相場が下がっているときは、今後値上がりに期待できる銘柄も通常より割安で購入できる機会と考えることもできます。
将来の利益を想定して、現在保有している銘柄を買い増しておくという選択肢もあるでしょう。

株価が下落したときに買い増していく方法をナンピン買いといい、平均取得単価を下げることができます。
ただし、買い増しをすることで損失が大きくなることもあるため、慎重に判断しなくてはならないでしょう。

企業の成長性や財務状況などもチェックしてしっかりと分析したうえで、下落が一時的なものか問題があるのかを見極めてから判断してください。
売買を短いスパンで繰り返そうとしていたり、株価がなかなか戻らないと想定したりしたのであれば、売却も考えた方が良いでしょう。

ただし、株価が暴落したときは売却するかどうかを、事前に決めておいた損切ルールや投資計画に基づいて判断しなくてはいけません。
損失を確定させたくなくて、長い間保有を続けてしまうと塩漬け状態となり、資金も長期間固定されて自由に使えなくなってしまうでしょう。

また元の水準に戻ることが期待できないのであれば、保有していても利益が出るようになるのは難しく、さらに損失が増えてしまう可能性があります。

なかなか決断しづらいかもしれませんが、売却によって損失を確定してしまうことが長期的には賢明な判断となることもあるでしょう。

株価が暴落したときは、一括で売買するのではなく複数回に分けて行うことで、市場の急激な変動リスクを抑えることができます。
時間分散という手法で、売却を数回に分けて行うことで最大の損失となるのを避けることができるでしょう。

また、買い増しも何回かに分割して行うことで、株を取得したときの価格の平均を抑えることができます。
時間分散は、相場が変動したときでも大きな損失を避けることができるため、今後の動きが不透明な暴落時には有効な方法でしょう。

まとめ

株価が大きく下がってしまう暴落の原因には、投資家が不安になったことで売りが増えてしまうことや、企業の経営が不安視されてしまうことなどがあります。
長期的な資産形成を目的として投資をしている場合は、株価が暴落しても一時的なことであるケースが多いため、慌てて売らない方が良いでしょう。
事前に投資に関するルールを自分で決めておき、暴落したときも自分で決めたルールに従い、冷静に判断してください。