児童や生徒を不快にさせる、学校においての性的な言動や、教職員が学校外で行う性的な言動、いずれもセクシュアル・ハラスメントに該当します。
児童や生徒の意に反して性的言動を行い、人格の侵害や学習意欲の低下をもたらすものということになりますが、それだけでなく児童や生徒の心の傷となり成長段階における弊害になることから、許されるものではないということを十分理解しておく必要があります。
もしセクシュアル・ハラスメント問題が起きたら?
保護者や地域住民などから、学校や教職員全体に対して拭うことのできない不信感を招き、信頼回復まではかなりの年月が必要となります。
そのようなことのないように、学校では必要な対策を十分に講じておく必要があるでしょう。
セクシュアル・ハラスメントの種類
セクシュアル・ハラスメントにも種類があり、職務上の地位を利用して、雇用や修学の上で利益の対価や代償としての性的要求が行われる対価型、不利益は伴わない中で性的言動を繰り返し就業や修学環境を悪化させる環境型があります。
学校で行われるセクシュアル・ハラスメントの特徴として、拒否ができない、もしくは拒否しづらい環境の中で起こることがあります。
もしくは言動そのものがセクシュアル・ハラスメントに該当することに気が付いていないという場合もありますが、性に対する言動の受け止め方は性別や人それぞれで差があります。相手がどのように受け止めているのか注意する必要があるでしょう。
教職員が心掛けておくべきこと
日頃からどのような言動で、児童や生徒に接すれば良いのか、再度見直してみることも必要です。
自分自身がその言動をされた場合にどのように感じるか、自分の配偶者や子供がされた場合には、配偶者や親としてどのように感じるかを考えてみるようにしましょう。
軽いスキンシップや冗談のつもりが、相手にとっては性的言動と捉えられ不快な思いをしている場合もあります。
校内研修の行い方にも注意
校内で教職員の研修を行う場合には、回数や規模などの設定は一律的なルールはありません。それぞれの学校の事情を踏まえながら判断していくことが必要です。
聴くだけの研修にしてしまわずに、参加する教職員が経験や意見を述べ合うようにし、互いに理解を深めながら共通認識を持つことが大切です。
法的な責任は?
もし民事争いになった場合には、被害児童や生徒、及びその親から慰謝料が請求されることになるでしょう。
わいせつ行為を含む場合には刑事事件となる可能性もあり、淫行罪などの条例違反、児童保護等に関する法律違反罪、強制わいせつ罪などが課されることになり、懲戒処分の対象になることが考えられます。
学校ではセクシュアル・ハラスメント事象に関係する問題点などについて、整理しながら防止に向けた体制の構築を図ることが重要です。