もしも大規模地震が突発的に発生して広い範囲で震度6強が観測されたとします。機械製造業の場合には、工場の全てのプレス機が転倒して従業員の安否確認ができず、納品先に連絡しても電話は通じなくなっていて後片付けに追われてしまい…というような状況が予測されるでしょう。
地震発生後の数日間は、従業員は家族が被災してしまったことや地域活動で出社できる状況ではないでしょうし、原材料となる仕入元の会社も工場が全壊してしまえば調達の目処が立たなくなります。
実際に生産設備が復旧するまでの数か月は受注が戻らず、プレス機械の更新のために金融機関から融資を受け、さらには企業の規模を縮小するために従業員のリストラなど、最悪の事態も想定できなくもありません。
企業財産包括保険で備えを
会社が損害を受けて操業できなくなるのは地震による災害だけではありません。
火災や落雷、風災など様々なことが原因で通常営業に戻るまでは損失が発生する可能性があります。その場合に補償してくれる保険に「企業財産包括保険」があります。
次の事故で保険の対象が損害を受けた場合、損害保険金が支払われます。
・火災、落雷、破裂または爆発
・風災、雹災、雪災
・給排水設備事故の水濡れ等
・騒擾等
・車両の衝突等
・建物の外部からの物体の衝突等
・盗難
・水災
・電気的事故、機械的事故
・その他偶然な破損事故等
事故発生の費用もカバー
保険会社によって付帯できる特約は異なりますが、事故が発生したことで支払うことになる費用も保険金でカバーされます。
・残存物取片づけ費用保険金
保険金が支払われる際に、損害を受けた保険の対象の残存物を取片づけするために必要な費用が支払われます。
・修理付帯費用保険金
保険金が支払われる際に、保険の対象を復旧させる時に発生した損害が起きた原因の調査費用等の費用が支払われます。
・損害拡大防止費用保険金
火災、落雷、破裂・爆発の事故で保険金が支払われる場合、損害の発生や拡大防止のための費用の中で、消火薬剤等の再取得費用等が支払われます。
・請求権の保全、行使手続費用保険金
保険金が支払われる場合、損害賠償の請求権の保全や行使に必要な手続き費用が支払われます。
・失火見舞費用保険金
建物等から発生した火災、破裂・爆発の事故で、近隣の第三者の所有物に損害が生じた場合の見舞費用が支払われます。
地震に対する補償は?
さらに地震や噴火に対する特約を付帯することで、地震リスクが補償されます。専用店舗や工場などが津波による物損害に遭った場合でも補償されますので安心です。
・地震噴火補償
地震、噴火、これらが原因の津波で、建物や設備什器など、保険の対象が損害を受けた場合に支払われます。
・地震休業損失等補償特約
地震、噴火、これらが原因の津波で、保険の対象が損害を受け休業損失が発生した場合に補償される特約です。
いざという時の対応のために
機械製造業だけでなく、企業は火災や地震などに対して災害リスクを抱えています。いざという時に落ち着いて対応できるように、保険で備えておくことはとても大切です。