イスラエルに対し、イランは大規模な攻撃を加えました。
イスラエルがイラン大使館に攻撃をしたため、報復としてミサイルや無人機などを多数使用し大規模に攻撃したと発表されていますが、他国と協力して迎撃できたため目立った被害がなかったようです。
今後、イランとイスラエルはどうなるのでしょうか?
イランの報復
イランはイスラエルに向けて攻撃を加え、多数の無人機に加えてイスラエル各地やゴラン平原にはミサイルを発射したと報じられました。
イスラエルからと思われる攻撃が大使館に向かって行われたことへの報復だったのではないか、といわれています。
攻撃を受けて、エルサレム市民には空襲警報が出され、夜中に避難することとなったのです。
13日午後11時ころには、イスラエルの報道で攻撃を受けていること、攻撃をしたのはイランであること、大規模だということが知らされています。
イスラエルの首相は、防衛の準備は完了しており、攻撃を受けたら報復すると宣言しています。
イスラエル軍によると、多数の兵器がイスラエルに向かって発射されたと発表されています。
翌14日、イスラエル軍の報道官によるとほとんどは迎撃しており、イスラエル領内にはどれも届かなかったとしています。
また、一部のミサイルは基地に着弾したともいわれていますが、基地が機能を失うほどの被害はなかったようです。
しかし一方で、攻撃と関係あるかは不明なものの、重傷を負った子供もいたようです。
イラン軍の参謀総長は、作戦は秘密裏に成功して目的は全て達成されたと、国営テレビの取材で答えています。
革命防衛隊の総司令官は、限定的な作戦であり大使館を攻撃されたのと同程度まで抑制して行ったと発表しており、戦闘を継続したいわけではないようです。
イスラエル攻撃を受け、日本政府外務省は14日に首都を含む多くの地域の危険情報をレベル1だった状態から、渡航中止勧告であるレベル3に引き上げました。
残りの地域はパキスタンとの国境地帯などで元々レベル4の退避勧告が出されていたため、すべての地域がレベル3以上になったのです。
外務省は、今後どうなるかはわからず先行きが不透明なため、現在滞在している日本人は商用便が運航されている間に出国するよう検討することを求め、しばらくは新たに渡航するのを避けるよう訴えています。
仕事でどうしても行かなくてはならないという人もいると思いますが、現状では命の危険があると判断されるのは当然のことでしょう。
危険なので、渡航は避けることをおすすめします。
イランの攻撃に対する反応
イランがイスラエルを攻撃したことで、様々な反応が生じています。
深夜に空襲警報が出されたエルサレム市民は、攻撃に対して自衛のため報復するべきという考えを持つ人もいれば、痛み分けとして攻撃を双方やめるべきだという人もいます。
イギリスの首相は、今回の攻撃で無人機をイギリス空軍が迎撃したと発表しました。
アメリカと並んでイスラエルを支持しているイギリスは、イランからの攻撃に備えて部隊を展開させていたのです。
イランによる攻撃は事態をエスカレートさせる危険がある行為であり、不必要だったとして強く非難するとコメントしており、現在は冷静な判断が必要とされ、状況を鎮静化させるために同盟国と協力することを明らかにしています。
中国の重慶に訪問していたドイツの首相も、イランの攻撃に対して強い非難を表明しています。
G7のオンライン会議には、重慶から参加することになっています。
ロシア外務省は、イランの攻撃については外務省の声明である自衛権の範疇であり、行使は正当だという意見を支持し、イスラエルがイラン大使館を攻撃したことに関して非難しています。
また、欧米にも対応が適切ではなかったと非難を向けているのです。
日本の岸田総理は、今回の攻撃は中東情勢をさらに悪化させるものであり、深く懸念しエスカレーションを強く非難すると答えています。
また、日本にとってイランやイスラエルの安定は重要なポイントとなるため、政府としては邦人保護に万全を期したうえでさらなる事態の悪化を防ぐための外交努力を続けると述べました。
専門家によると、イランの攻撃には2つの意図があったようです。
1つは当然ながら攻撃を受けたことへの報復であり、自衛を目的と思われるのですが、もう1つはイランの軍備に関する実力を示すためと指摘しました。
そして、イランの攻撃が都市部から離れた軍事基地などを狙っていたのは、イスラエルとは違って市民への被害を拡大しないことを示していると、分析しています。
目的はあくまで、イランに攻撃した場合は報復されることを大々的に示すこと、としているのです。
また、無人機のように到達するまで時間がかかる兵器を使用したのは、イスラエルやアメリカ軍、イギリス軍などがあえて迎撃できるようにしたのではないかと推測しています。
本格的な国家間の戦争に発展させるエスカレーションは目的としていないことをメッセージとしているのではないか、と考えているのです。
ただし、今後イスラエルがさらに報復として反撃するようなことがあれば、事態は深刻になって相互攻撃のサイクルが始まり、泥沼化することも懸念しています。
今後の焦点となるのは、イスラエルを支援しているアメリカの出方でしょう。
アメリカはエスカレーションを止めたい立場ですが、イスラエルに対して強固な安全保障を提供するといっている以上、バイデン大統領はアメリカがイスラエルを守るという姿勢を見せなくてはいけないため、イスラエルの反撃を抑えるのは難しいでしょう。
アメリカ空軍も、今回はイスラエルの防衛として迎撃に参加していました。
まとめ
イランは、イスラエルが大使館を攻撃したとして、イスラエルに対して大々的に攻撃を加えました。
無人機や弾道ミサイル、巡航ミサイルなどを多数使用した攻撃でしたが、複数の国の空軍によってはほとんどを迎撃したと発表しており、弾道ミサイルが着弾した基地も機能を失っていないと発表されています。
今後、中東地域はさらに戦闘が続いて、緊張状態に陥る可能性もあるでしょう。