サ高住(サービス付き高齢者住宅)のリスクを考える!

高齢者が増えているからと、ただ単に高齢者向けの施設や住宅に投資をしてしまうという安易な考え方は失敗を招く危険性があります。
特に「サービス付き高齢者向け住宅」の開業や経営を検討する場合、長期的に利益が出る仕組みなど、市場調査をした上で設計かを確認し、建設会社に施設の建築を依頼することも必要です。
また、他の介護施設や老人ホームとの違いについても理解しておかなければ、思ったよりも集客できずに赤字経営が続くといったリスクで苦しむことになるでしょう。


高齢者は多くても要介護者はそれほど多くない?
確かに日本は高齢者人口が多く、今後もさらに増え続けることが予想されています。特別養護老人ホームへの入居を待つ待機者も多いことで、高齢者向けの施設や住宅などの運営を検討する人も増えています。
そこで要介護者をターゲットにして開業した結果、65歳の人口は多いけれど要介護者の認定を受けている人の数はそれほど多くないことが判明し、競合他社も増えて入居者が集まらずといった事態に陥るケースもあるようです。
介護施設との違いを理解しておく必要がある
特別養護老人ホームの待機者は確かに多くいます。しかしサービス付き高齢者住宅とは入居対象者が異なりますので、入居者が軽度な介護度のため介護報酬の売上が上がらないという結果を招くこともあります。

・サービス付き高齢者向け住宅とは?
サービス付き高齢者向け住宅は、住宅部分は建物賃貸借契約を締結することになります。それに希望するサービスの提供に対してサービス利用契約を別途締結するといった形です。
居住の権利が保障される中で、サービスを選択して利用するといった賃貸住宅になっています。

・特別養護老人ホームとは
一方の特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設とも呼ばれていますが、地方自治体や社会福祉法人などが運営する公的施設です。
常に介護が必要な状態の人で比較的重度や緊急性の高い人の入居が優先されます。入居できるまでの期間は早くても数か月、長いと10年という状況で待機者数は40万人程と言われています。
人気の理由は公的施設のため低料金であることですが、多くが相部屋で民間の老人ホームと比較するとサービスは充実していないという面があります。
顧客ニーズにこたえることができるか
サービス付き高齢者向け住宅はあくまでも賃貸住宅ですので、入居者が求めるものは生活環境にいざという時にサービスを使えるとう安心感でしょう。
そのため建物外観、居室や共有部分の充実感、食事内容の満足感、医療や看護体制の充実性、職員の対応、賃料などに入居者が納得できなければ空室が増えることになると考えられます。
このようなリスクを回避するために、明確なターゲット設定、そしてコンセプトも検討した上で計画地のニーズに合うことが必要です。
充実した運営を成功させるために
地域の人の抱えている悩み、求めている住宅の形、家賃の相場、居室面積など検討が必要な材料は様々です。これらを踏まえた上で市場調査をし、運営していくことが必要となるでしょう。