病院や医院の業務が様々な事故が起きる可能性を秘めています。特有の事故が多いため、しっかりとリスクマネジメントを実施することが大切です。最適な対策を講じておくことで、病院の経営は安定し発展していくことができるでしょう。
病院や医院など医療機関を取り巻くリスクをカバーするために損害保険や生命保険を活用する方法が考えられます。
病院にはどのようなリスクが取り巻いているのか
医療機関を取り巻くリスクは多種多様ですが、特に財産損害や第三者に対する損害賠償、労務関係が重要になります。
・建物や設備などの財産損害
所有する施設に対して火災や自然災害などが被害を及ぼすリスクです。建物が焼失したり、屋根が強風で一部破損したり、さらには何者かが施設のガラス部分を破損させることや電気的・機械的事故も考えられます。
・第三者に対する損害賠償
診療ミスなどによる医療訴訟、施設の管理不備による事故、食中毒、院内感染、個人情報流出などが起きれば損害賠償請求される可能性が高まります。
・労務
従業員が業務中に事故でケガや病気になるリスクも考えれます。
リスクをヘッジするための適切な保険とは?
偶発的事故も人為的ミスも、事故が発生した時には巨額の損害賠償金が発生する可能性がありますので、事前に保険に加入することで費用を平準(平均)化することが可能になります。
医療機関が加入しておくと良い保険は様々ですが、主に次のような保険への加入を検討しましょう。保険の種類とその内容は次の通りです。
・医師賠償責任保険
医療行為を行うにあたり、職業上相当な注意を怠ったことで患者に障害などを及ぼした場合の法律上の損害賠償責任を補償する保険です。
・施設賠償責任保険
建物や施設の欠陥や管理ミスで他人に身体障害や財物損壊が生じたことによる損害賠償責任を補償する保険です。
・生産物賠償責任保険
製造や販売したものが原因で他人に身体障害や財物損壊が生じたことによる損害賠償責任を補償する保険です。
・店舗総合保険
火災や爆発、自然災害、商品や製品など以外の盗難、水漏れ、車の飛び込みといった危険による損害を補償する保険です。
・動産総合保険
リース物件を使用中、輸送中、保管中などに起きた偶然の事故などが補償対象の保険です。
・機械保険
電気的・機械的事故、火災による爆発・破裂等で生じた機械設備の損傷に対しての修理費(復旧費)を補償する保険です。機械を修理するために壁や床などを取り壊した場合には現状復旧費用が支払われます。
・営業継続費用保険
火災などで営業を継続することに支障をきたした場合、仮設建物を建設する費用などの追加費用に対して補償する保険です。
・労働災害総合保険
労災事故においての補償、就業規則、災害補償規定に基づいた補償を補填する保険です。
リスクヘッジに適した保険の選択を
医療機関を経営するにあたり、加入しておくと良い保険は他にも様々なものがあります。そのため病院がどのようなリスクを抱えているかを洗い出し、そのリスクを回避するために適した保険は何かを良く検討して加入することが必要です。