成熟社会の今、会社経営は非常に難しいものです。
経営者は常に会社を存続させるために頭を悩ませなければなりません。
そこで今回は業種別の廃業率を紹介することで日本全体の傾向を理解し、経営に繋げていただければと思います。
廃業率の全業種平均は3.8%
厚生労働省が発表しているデータに「雇用保険事業年報」と言うものがあり、この中で業種別の開業/廃業率が書かれています。
2015年のデータで開業率の全業種平均は5.2%、廃業率の全業種平均は3.8%となっております。
開業率が最も低い業種が製造業で1.9%、その一方で最も開業率が高い業種は宿泊業/飲食サービス業の9.7%、ついで建設業・生活関連サービス業/娯楽業となっています。
廃業率については、開業率と比べて業種別の違いはそれほど大きくありません。
最も廃業率が低い業種は、医療福祉で2.4%、最も廃業率が高い業種は宿泊業/飲食サービス業の6.4%となっている。
つまり、宿泊業/飲食サービス業は開業も多ければ廃業も多いという結果となり、店舗が入れ替わり立ち替わりになっている事がわかります。
生活関連サービス/娯楽業も同様に入れ替わりの激しい業種のようです。
その一方で、開業率が高く、廃業率が低い業種として建設業、開業率・廃業率ともに低い業種は製造業・卸売業などがあります。
オリンピックの影響等によりエリアによってばらつきはあるものの、全体として建設業は現在非常に安定していると言えます。
廃業・倒産しないために取り組むべき事
さて、あなたの業種の廃業率はいかがでしょうか?
今回全業種の廃業率を紹介したわけではないので、当てはまらないケースもあるとは思いますが、基本的には会社を経営していて廃業・倒産することはマイナスです。
そこで、最後に廃業・倒産にならないために取り組んでいきたいことを紹介させて頂きます。
廃業・倒産になる理由は大きく二つあります。
一つは利益が出ないこと、もう一つは後継者がいないことです。
そしてこれらは二つともが絡み合っているものですから、どちらに対しても対策を考えなければなりません。
例えば、現在利益をうまく出している企業は、独自商品を持っていたり、多くのファン客を抱えています。また、利益が出ていても後継者がおらず廃業となる黒字廃業というものもあります。そうならないためには、計画的にできるだけ早いうちから後継者育成をしなければならないでしょう。
今後ますます企業にとっては厳しい時代がやってきます。
その荒波を上手く乗りこなせる会社だけが生き残っていくでしょう。