ビジネスにおいて海外展開を検討する際には、国内では問題にならなかったような事が起きるリスクが非常に多くなります。
例えば、特許や意匠・商標のような産業財産権と呼ばれる知的財産権は海外展開時に注意が必要です。
そこで今回は海外展開を検討する際に知って起きたい知的財産侵害のリスクについて解説させていただきます。
知的財産権は国ごとに取得が必要
海外展開を検討している方でも、その多くが今と同じ会社名や商品名、サービス名で進出を考えているのではないでしょうか?
実際世界で活躍する日系企業も特に海外展開する際に名前を変更したりする事はそれほど多くありません。
しかし、企業名や商品名は一歩日本から出れば、再度知的財産として登録する必要があります。
つまり、知的財産権は国ごとに異なるという事です。
日本で申請していたとしても、海外でビジネスする際に申請をしていなければ、他者が知的財産権を取得してしまえば使えなくなってしまいます。
もしも、このような状況になってはあなたの企業にとっては大打撃でしょう。
そうならないためには、進出を検討する国の法律を調べ、あらかじめどのように進出を行うかを計画的に練る必要があるのです。
知的財産侵害で7億円の被害例も
知的財産侵害といえば、模造品やコピー商品がすぐに思いつくのではないでしょうか。そういったものは中国が多いイメージですが、その通りでアジアに進出を検討する際はより注意が必要だと言えるでしょう。
過去には、中国で大江戸温泉とは全く関係のない施設であるにも関わらず、同じ名前で営業しているということがありました。
現状大江戸温泉が中国進出を行なっていないため実害はないといえますが、もし今後中国進出を行う際には大きな障害になり得るでしょう。
他にも、中国進出を検討していた日系企業が、進出コンサルを依頼していた中国のコンサルティング会社に技術やノウハウを全て話した結果、無断で特許申請を行われてしまい、この中国特許権を侵害したとして、7億円の賠償金の支払い判決が確定してしまったという例もあります。
海外展開は会社をさらに拡大するチャンスである一方で、それにより国内事業すらも危うくなるケースもあるのです。
よく海外でビジネスは行ってみないとわからない事があるため実行力が重要と言われますが、それと同時に抑えておくべきポイントは予め入念な調査をしておく事も必要です。
大胆な決断を行うためにも事前準備はしっかり行うようにしましょう。