企業において営業職はこれまで男性が行うべきという考え方が一般的でした。
しかし、近年では女性の社会進出が加速した影響により、これまで男性が行なっていた業務を女性が行うことが増えてきました。
上場企業の場合、役員における女性比率などが法律によって定められ今後さらに女性が活躍するフィールドは増えていきそうです。
そこで今回は企業として女性の営業職をどのように考えていくべきかについて解説をさせて頂きます。
営業職はなぜ男性の領域だったのか?
営業職は男性が行うことが一般的でした。
それはなぜでしょうか?
おそらく一番大きな要因は時間の使い方にあるでしょう。
日本経済がぐんぐん成長していた頃の営業といえば、お客様に呼ばれればいつでもどこでも飛んでいく、そんなスタイルでした。
そして、その当時の女性は基本的には家庭に入っていることが一般的で、必然的に女性より男性の方が向いているというやり方でした。
また、営業は一度断られても何度も訪問することで信頼を獲得していくことが重要であったため、非常に根気強さが求められました。
そういった点においても、女性は活躍できないと考えられていたのかもしれません。
しかし、近年において女性像は大きく変化しています。
結婚をしても働きたいと考える女性も増加し、過去の女性像とは全く異なるようになってきました。
ただ、経営者は高齢であることが多いため、過去のイメージのまま女性を考えるため、その間にギャップが生まれてしまい、いまだに営業職に女性を抜擢しないという事が多いようです。
女性営業職のメリットとは?
確かに、女性は男性に比べ精神的に脆いのかもしれませんが、それ以上に女性が営業職をするメリットは十分にあると言えるでしょう。
その背景には営業スタイルの変化があります。
先ほど挙げたように、いつでもどこでも顧客に呼ばれたら飛んでいくことや、断られても何度も訪問することで信頼を獲得していくスタイルは、現代でも有効ではありますが、一般的なスタイルではなくなってきているのです。
現在の営業スタイルは提案型が多く、昔のように御用聞きのようなものではなく、顧客の不満を解決するようなズバリの提案を持っていく事が多いのです。
ある意味では、ひたすらプッシュ型の営業だったものが、少しずつプル型の営業に変わってきているといえます。
そういった営業スタイルの中では、女性の強みが存分に発揮されるのです。
ここではその中でも代表的な能力を解説させて頂きます。
一つ目は共感するスキルです。
先ほども挙げたように、現代の営業スタイルは提案型であるため顧客の課題や問題を正確にとらえる必要があります。そして、その問題に対して顧客が持つ不安や不満をどれだけ取り除けるかを伝える事で効果的な営業が可能です。
つまり、顧客に共感する力が非常に求められるのです。
そして、共感するちからは女性よりも男性のほうが高いと医学的に証明されているのです。
二つ目は協調性です。
営業は受注して終わりではありません、その後のフォローまで行う必要があります。そういった点で協調性は極めて重要です、
なぜなら、顧客が発注や購入を判断する際に、その後のフォローまで含めて検討しているケースが多いからです。
つまり、「この人となら一緒にやっていけそうだ」と思っていただくことが重要なのです。
そして、協調性もまた男性よりも女性が優れているという力なのです。
三つ目は、勤勉性です。
ここでいう勤勉性は単に勉強ができるかどうかではなく、真面目に仕事に取り組む力のことです。
例えば、細かい約束をちゃんと守れることや、地道なことをコツコツ続けられるかなどがあります。他にも、顧客の要望に対して細部まで真摯に受け答える事ができるかなども勤勉性と言えるでしょう。
このような力は女性のほうが優れているのは言うまでもありません。
また、これと同様に理由で繊細性も女性の方が優れているといえます。
ロジカルさは男性の方が優れているかもしれませんが、その分顧客と密になって細かく仕事を行う事が女性の特徴です。
つまり、仕事の進め方としては非常に安心できるのです。
勤勉性と繊細さを持ちあわせる女性はこの点においても非常に営業に向いていると言えるでしょう。
そして、最後は母性です。
最初に男性の方が根気強いため営業に向いていると考えられていたと書きましたが、それは果たして本当にそうでしょうか?
女性は「子供を産んで育てる」という男性ではできない事を行うことができます。つまり、本能的に相手のために頑張ると言う点では男性よりも優れていると言えるのではないでしょうか。
営業においても最後に必要なことは「踏ん張る力」です、
これらは「とにかく顧客の業績を上げたい」「会社に貢献したい」という強い思いから生まれるものです。
踏ん張る方法においては、男性と女性においてやり方は違うのかもしれませんが、とにかく女性にもその力は備わっているのです。
また、近年では男性の根気強さが失われつつあるともいえます。
そういった点では、女性のほうが営業で結果を残すことができる可能性は十分に考えうると言えるでしょう。
女性を営業職においてみよう
さて、これまで女性がいかに営業職において活躍できるかについて解説をさせて頂きました。
物は試しで、一度是非実践いただければ幸いです。
企業において今後女性活用は必須事項になってきます。と言うより、すでになっていると言って良いでしょう。
時代は少子高齢化で、今後ますます生産年齢人口は減少します。
さらに、あらゆるインフラが進み、昔では考えられなかった程様々な方法でお金を得ることができるようになりました。
その影響を受けて、どこの企業にも属さないフリーランスが増加するなど働き方は多様化しているのです。
つまり、企業において人材獲得はこれからますます厳しくなるのです。
人材が獲得できなければ、当然会社の業績を伸ばすことはできません。
そうならないためには、変化していく時代についていく必要があるのです。
つまり、会社として昔ながらの考え方を常にアップデートしていかなければいけないのです。
そういった点では、女性の営業職は非常に着手しやすい変化の一つと言えるでしょう。
すでに、女性をうまく活用して業績を伸ばしている企業もたくさん登場しています。
例えば、女性だけの便利屋サービスを提供する会社があります。
便利屋といえば、工事や引っ越しなどの力仕事のイメージがありますから、どうしても男性が行う仕事のように感じます。
しかし、「女性だけ」という切り口を入れることで、話し相手や料理代行など男性にはなかなかできないサービスを展開することで、多くの方に利用されています。
他にも、設備工事や建設業でも女性をうまく活用するケースが少しずつ増えてきています。
設備工事といえば、職人の世界で男性のイメージが非常に強いですが、
顧客にとってそれがハードルになってしまうことがあります。
そういった点で電話受付や顧客宅訪問などを女性がおこない、できるだけお客様がわかる言葉で説明することで人気を得ているような会社も存在しています。
男性には男性の特徴が、女性には女性の特徴があるものです。
これらの特徴をいかに発揮できる職場環境にするのか、経営者は今このようなことが求められております。
そして、この動きは働き方の多様性につながり、今回のテーマの女性だけでなく、外国人や高齢者活用など様々な点で有効になるでしょう。