苦情というのは、顧客からの大切な意見として、一般的に企業の宝と考えられています。
しかし中には、度を越した要求をしたり悪質なクレームをつけたりする、いわゆる「モンスタークレーマー」と呼ばれる顧客も存在し、企業リスクとなる事もあります。
モンスタークレーマーによる企業リスクとは、どのようなものでしょうか?
モンスタークレーマーの要求と通常の苦情の違い
企業にとって、苦情を寄せられるということは、顧客から改善を望まれているということです。
そのため、通常であれば顧客からの苦情というのは改善のきっかけとなるものとして、大切に扱われます。
しかし、中にはモンスタークレーマーとして敬遠される、困ったクレームをつける顧客も存在しています。
通常の顧客からの苦情と、モンスタークレーマーとの境界線はどこにあるのでしょうか?
先ほどもお話ししたように、通常の苦情というのはその企業に対して改善して欲しい、問題を解決してほしいと望む声です。
しかし、そうでない理不尽なクレームの場合はモンスタークレーマーとなります。
では、モンスタークレーマーによるクレームがどのようなものかというと、そもそも問題を解決することを目的としていないものです。
例えば、コンビニの店員に対して「態度が悪い」と文句をつけて謝罪を要求しながらも、具体的にどう悪かったのかは言わないというクレームです。
また、お客様窓口が19時までの受付となっていたのにも関わらず、夜9時に電話して「時間通りに開いていない」というクレームをつけていたモンスタークレーマーもいたそうです。
こうしたモンスタークレーマーは、改善を要求しているのではありません。
目的は、相手を困らせることです。
相手を困らせ、自分に対して強気に出られない様子を見ながら、自分の方が偉く、優位に立っていると思いたい場合もあります。
これがエスカレートすると、謝罪だけではなく品物や金銭を要求するようになることもあります。
中には、購入してもいない商品のクレームをつけて、弁償やお詫びの金銭を要求するモンスタークレーマーもいるそうです。
「ならば、無視をしてしまえばいいのでは?」と思うかもしれません。
ですが、そうなると企業リスクへとつながってしまうのです。
次の章で詳しくご説明しましょう。
モンスタークレーマーによる企業リスクとは?
モンスタークレーマーを無視してしまうと、どのような企業リスクが生じるのでしょうか?
こうした問題に密接に関わるのが、インターネットやSNSです。
現在、インターネットでは飲食店などの紹介と、そこを訪れた客からのコメントを見ることができるサイトなどが人気です。
また、SNSなどでお店の評判がどのように言われているかを調べる人もいるでしょう。
ところが、このサイトやSNSというのは誰でも書き込むことができます。
そこで、モンスタークレーマーを無視していると、こうした情報源に企業への苦情などを書き込んだりすることがあるのです。
「○○の対応が最悪だった」などと書かれてしまうと、来店しようと思っている客が他の店を選びかねません。
他にも、「○○に苦情を言ったけど無視された」といわれてしまうと、詳細を知らない人にとっては悪い企業のように思われてしまうでしょう。
モンスタークレーマーに対して何もしないでおくと、このような企業リスクが生じることがあるのです。
そのため、企業ではモンスタークレーマーに対してどのように対応するべきか、あらかじめ想定して準備を進めておく必要があります。
場合によっては訴訟など法的な手段をとれるように、違法性の線引きも考えておきましょう。
企業にとって顧客からの苦情は大切なものですが、モンスタークレーマーと通常の顧客からの苦情を同じものとして扱わないよう注意しましょう。
まとめ
モンスタークレーマーというのは、企業にとってプラスにならないものです。
問題の解決を望むのではなく、自身の欲求を満たすためにクレームをつけているため、改善にはつながらない内容ばかりです。
ただし、放置しておくと、企業に対する悪いイメージを流布される等の企業リスクもあるため、しっかりと対応しておく必要があります。
モンスタークレーマーへの対応ができるよう、日々、気を付けておきましょう。