現在、多くの企業が従業員不足の問題を抱えています。
新しく従業員を採用する為には、とりわけ健康経営の取り組みが急務であると言われているのですが、それにはどういった背景があるのでしょうか?
従業員採用に、健康経営の取り組みが急務となっている理由について考えてみましょう。
なぜ、従業員不足となるのか?
まずは、なぜ従業員不足となるのか、その理由について考えてみましょう。
現在、中小企業をはじめとした多くの企業が従業員不足に悩んでいます。
その原因となっているのが、近年の社会問題でもある少子化です。
団塊の世代といわれた、1947年から1949年に生まれた人々がこれまで社会の中核を担ってきたのですが、今ではそのほとんどが定年を迎え、退職しました。
その分若い人が増えていればいいのですが、少子化が進んでいる為、人数的にはかなり少なく、その結果として労働人口は減少しており、従業員が不足する事となったのです。
そうなると、例えば、これまで従業員が100人いた企業の場合、これからは90人で業務を行う事になるかもしれません。
これまでより人員が少ないので、企業としては事業を縮小するか、もしくは従業員1人あたりの生産性を向上させ、これまで通りの事業規模を維持するかのどちらか一方となるでしょう。
ここで、これまで通りの事業規模を維持する為に、従業員に長時間労働を課すような企業が、いわゆる「ブラック企業」と言われます。
ブラック企業になってしまうと離職率も高くなり、いずれ会社が立ち行かなくなる可能性が高いでしょう。
企業が目指すべきは、従業員1人当たりの生産性を向上させる為に、効率よく仕事ができるよう、尽力する事です。
そのためには、まず従業員を採用したら長く勤めてもらえるようにする事が大切です。
そこで必要となるのが、健康経営への取り組みです。
健康経営に取り組むメリットは?
具体的に、健康経営に取り組むメリットとしてはどのような事が挙げられるでしょうか?
まず、健康経営というのは何かというと、企業が投資として従業員の健康管理に責任を持つという事です。
わかりやすいメリットとしては、個々の従業員の医療費の削減があります。
しかし、健康経営のメリットはそれだけではありません。
従業員の健康管理を行うという事は、従業員が高いパフォーマンスを発揮できるようにするという事です。
誰しも体調を崩している時は、仕事の効率が落ちてしまいますよね。
しかし、企業が従業員の健康管理を行う事で体調の悪化を防ぎ、生産性を向上させる事ができるのです。
また、健康管理を行う事は、生活習慣病などを防ぐ効果もあります。
生活習慣病の治療には長い時間がかかる場合が多く、休職の原因にもなりやすい為、それを防ぐ事で長期にわたって生産性向上に役立ちます。
そうなると、体調不良を理由に従業員が退職する事も減っていくので、従業員の減少に歯止めをかける事にもつながります。
その結果として、企業の運営もスムーズになっていくでしょう。
従業員を採用してから、健康経営に乗り出したとしてもその結果が出るまでに採用した従業員が退職してしまうかもしれません。
入社してから、すぐにいい職場だと認識してもらい、長期にわたって業務に励んでもらう為にも、採用する前から健康経営に取り掛かりましょう。
まとめ
企業が健康経営に取り組む事は、従業員はもちろん、最終的には企業に大きな恩恵をもたらす事につながります。
少子化の影響で働き手が減りつつある現在、事業規模を縮小しない為にも従業員一人当たりの生産性を向上していく事が重要になるでしょう。
そのためにも、従業員を採用する前に健康経営へと取り組んでいきましょう。