死亡保険に加入している人は多いと思いますが、実はただ加入していればいい、というものでもないのです。
死亡保険は、時折見直さなくてはいけないと言われるのですが、なぜ見直しが必要とされるのでしょうか?
その理由について、考えてみましょう。
死亡保険の必要性
死亡保険は、保険に加入してから実際に保険金を受け取る事になるまでの期間が長期となるケースがほとんどです。
基本的には死亡時に受け取る事になる保険なので、いきなり事故に遭ったりしない限りは長期に加入することがほとんどでしょう。
数十年にわたって続けるのが当たり前なので、その間に保険の内容は色々と変化していきます。
最も大きな変化としては、1998年の保険の自由化ですが、その他にもニーズの変化に合わせて保険もマイナーチェンジを繰り返しています。
例えば、最近ではタバコを吸わない人が増え、生活習慣病を気にしてメタボリックシンドロームを解消しようとする人も多くなってきたのですが、喫煙者やメタボリックシンドロームの人とは死亡リスクが異なるため、保険料に差が出るようになっています。
また、独身の時に加入した死亡保険の保障内容が、結婚して子どもが生まれてからも満足できるものとは限りません。
生活の変化に伴って、その保障内容も考え直す必要が出てくるでしょう。
収入が変化した場合や、支出が増減した場合など、生活の変化に応じて生命保険料を変更したいと考えることもあると思います。
余裕が出てきたらもう少し保険料を増やし、余裕が無くなったら保険を減らすことも考えなくてはいけません。
いざという時の備えとなるはずの保険が、全く備えとなっていなかったり、今の生活を圧迫したりしているようでは、意味がないのです。
そうならないように、見直しが必要となるのです。
どんな保険か
まず、保険のどんな点をチェックするべきか、知っておかなくては見直しようがないでしょう。
保険の内容について、考えてみましょう。
死亡保険は、大きく分けて3つの種類があります。
その一つである定期保険は、一定期間だけ有効な保険です。
保険料は安いのですが、掛け捨てとなりその期間が過ぎてしまうと何の保障も受けることができません。
更新は可能ですが、貯蓄性と言う面では無意味なものです。
例えば、出張などで一定の期間危険な国へと訪れることになった時、手厚い保険を受け取れるようにするにはこの定期保険がちょうど良いかもしれません。
ただし、あまりにリスクが高いと判断された場合は加入を断られることもあるでしょう。
ずっと保障される保険のことは、終身保険といいます。
一般的に死亡保険というと、この保険を思い浮かべると思います。
年齢制限があるものもありますが、保険料を一定以上の期間支払っていれば解約払戻金を受け取ることができるため、貯蓄性がある保険でもあります。
終身保険の場合は、ガンなどが発覚して余命宣告を受けた時点で、それ以上の保険料は支払いが不要となる契約もよく含まれています。
たとえ余命宣告を越えた場合でも、保険料を再び支払うようなことはありません。
満期が設定されていて、満期時に受け取ることができる保険金と死亡時に受け取ることができる保険金が同額となっている保険は、養老保険といいます。
毎月支払っているのは、保険金であると同時に積立貯金としての意味もあるのです。
養老保険には、医療特約などを付けるケースもよくあります。
手術や入院時の保険としても活用できますが、その分死亡時や満期時に受け取ることができる保険金は少なくなります。
保険の種類としては、この3つが主なものとなります。
どのタイプの保険を選ぶべきかを考える際は、保険が必要となるケースを考えて、その際に必要な保険金と支払うことになる保険金の総額、満期となった時の扱いなどを考えて、必要なものを検討することになります。
また、保険金を受け取る事になった際の受取人なども見直しが必要となることがあります。
受取人となるのは配偶者か、もしくは子どもかという点も重要になりますが、子どもが受け取るとしても兄弟がいる場合は、その内の誰が受けとるかということもしっかりと決めておかなければ、後々兄弟間でのトラブルとなるかもしれません。
見直しの際は、加入している保険の内容をまず把握しておく必要があります。
条件次第では、同じ保険料でより手厚い保障内容となっている保険が用意されていることもあるので、比較できるようにしておかなくてはいけません。
そして、見直しについては自分だけで行うのではなく、保険会社と相談して行うべきでしょう。
自分だけでは目が行き届かない内容であっても、保険会社であれば自社の保険をしっかりと把握しているので、新しい保険も提案してもらうことができるのです。
契約そのものは変更しなくても、特約だけ変更するということもあり得ます。
新たに契約し直した場合、保険料が高くなってしまうので、なるべくは特約の追加や変更ということで対応した方がいい場合もあるのです。
変更した場合の保険料なども考えて、よく検討してみましょう。
どんなタイミングで見直すべき?
保険はいつでも見直すことはできますが、どのようなタイミングで行うべきでしょうか?
保険を見直すべきタイミングと、その際に重視するべき点を考えてみましょう。
まず、人生において大きな節目となる結婚時が多いでしょう。
生活の内容も大きく変化することとなり、家計についても考え直さなくてはいけません。
支払うことができる保険料も、変わってくるはずです。
また、死亡保険金を受け取る相手が、配偶者となることにも注意が必要です。
自分がいなくなった後の家族の生活を守る資金となるので、受け取り方なども含めてよく考えるべきです。
その後、子どもが生まれた時はまた、保険を見直すタイミングとなります。
今後、子どもが成長するにしたがって、学費や生活費などが必要となってくるので、学資保険への加入も含めて考えなくてはいけないでしょう。
子どもが増えた時は、そのタイミングで見直しましょう。
しっかりと子どもを育て上げられるよう、充分な保障を得られる保険を選ばなくてはいけません。
ただし、保険料についてもしっかり検討する必要があります。
転職などをした際は、収入も大きく異なってくるので見直しも必要です。
給与がこれまでの半分となったのに、保険料はこれまで通りだと生活が苦しくなると思います。
独立することになった際は年金などについても考えなくてはいけないので、養老保険への切り替えなども考えることになるかもしれません。
会社を通じて死亡保険に加入しているケースもあるので、退社後の扱いについても確認しておきましょう。
マイホームは、人生の中でも最も大きな買い物といえるでしょうが、その購入時にも保険を見直しましょう。
住宅ローンを契約する際は、死亡時に残りのローンを肩代わりしてもらえる団体信用生命保険というものもあります
人生における大きな転機となるタイミングでは、同時に保険も見直すことをおすすめします。
それ以降の生活にはどんな保障が必要で、それを得られるようにするにはどうしたらいいのか、契約内容を考えて保険会社と相談してみて下さい。
まとめ
死亡保険は、役立つ時というのがかなり先のことになるので、あまり内容に実感が沸かないこともあって、そのままにしてしまうケースが多いようです。
しかし、生活が変化するとそれに伴って、必要となる保障というのも変化してくるため、何か生活が大きく変わるようなタイミングでは死亡保険も見直していくべきでしょう。
もし自分に何かあったとして、その時に保障して欲しい物は何か、どのくらい支払えるかなど、様々な変化に応じて死亡保険の内容も変更していきましょう。