金融緩和が経済に与えた影響とは!?プラスの影響は?

日本銀行は2016年9月の金融政策決定会合により、異次元金融緩和の総括的な検証を実施すると発表しています。

そこで行われる内容は、これまで金融緩和政策が経済活動へどのような影響を与えたかという効果の分析が中心となると予想されます。

金融緩和政策によってどのような影響が?

金融緩和政策によって株価や為替レートに大きな影響を与えたものの、そこまでという印象が強く、設備投資や家計消費などに明確に良い影響があったとは言えません。

2014年秋以降にアメリカの金融正常化が実施され、資源価格が下落、為替レートは円高に進みつつあります。

これまでは円安によって増加していた企業利益は、だんだんと逆転の動きを見せつつあるというのが実情です。

必要なのは物価の引き下げ?

本来であれば実質所得が増え消費が増えるはずなのに、消費が増えていないのは企業が物価を製品価格引き下げに反映させていないと言うことでしょう。

資源価格下落を消費者物価の引き下げへと繋げていくことが必要と言えます。

為替レートが円高に進んでいることも、結果として円建て輸入価格を引き下げることになってしまいます。

そのことから、現在の日本に必要なのはインフレを達成しようとすることではなく、むしろ物価を引き下げることであるとも考えられるでしょう。

投機が大きな影響を与えている

日本の消費者物価は輸入物価で説明でき、輸入物価は為替レートと資源価格で決定されるということを考えると今日本に起きている現実を理解することができるでしょう。

円建て輸入価格に大きな影響を与えるのは、為替レートと資源価格でどちらも投機によって大きな変動が見られます。

投機資金で為替レートや資源価格の動向も決まり、さらにそれによって輸入物価が決まります。さらには消費者物価もそれらの影響を大きく受けることとなるのです。

円安期待から円高期待へ?

2014年頃まで円安が進んだことには、金融緩和の期待により円安期待が起こったことが原因と言えるでしょう。

アメリカはリーマンショック以後金融緩和を継続し、原油などに対して投機が起きたことで原油価格等資源価格は高騰していました。

しかしアメリカの金融正常化に伴い資源価格は下落を見せ、為替レートに対する投機も2015年の秋頃から円安に期待することをやめ、円高を期待する位置で実施されるようになっているようです。

金融緩和政策は意味があったのか?

通貨が世間にスムーズに流れるようになれば結果として景気が改善するということを目的として実施されたものが金融緩和政策です。

金融緩和で名目金利が一定に抑えられていることにより、期待インフレ率は向上し実質金利は下がると期待されて行われたものの、これまでの状況から考えた場合本当に意味があったのかと考えてしまいます。