年末調整を行う際は、経理の担当者だけでなく、書類を作成する私たちも大変ですよね。
制度の改正に伴い、記入項目や書き方が変更されていきますから、毎年苦労されている方も多いかと思います。
その中に、保険料控除申告書という書類を見かけませんでしたか?
これは一体どのような書類になるのか、改めて確認しましょう!
所得に対する控除をするための専用の書類
突然ですが、みなさんは「保険料」と聞くと何の項目を思い浮かべますか?
多くの人の場合、例えば加入している生命保険をイメージするかもしれません。
生命保険の場合は、年間で支払った保険料の控除ができるように、しかるべき時期に証明書が届きますよね。
しかし、現在の税制度には、控除対象となる「保険料」は他にもあることを知っていますか?
保険料控除申告書で申告できる保険料の内容は、上記で挙げた生命保険だけでなく、地震保険に加入している場合はその保険料も対象となります。
一般的に火災保険自体は控除対象となりませんが、地震保険となる別扱いになりますので、そのまま何もしないと損してしまいますよ!
気になる方は、ご自身の火災保険の加入状況を確認してみましょう。
また、転職・退職等の事情から、国民年金や国民健康保険に加入していた時期がある人もいますよね。
途中で再就職をして、会社の社会保険に加入できたとしても、その期間に支払っていた保険料の計算はしてくれません。
そのため、年末調整では計算してくれないことになってしまい、後から自分で申告しなければいけない状況になります。
中々仕事で時間が取れない人にとっては、後から自分で手続きをするのは結構面倒ですよね。
そのため、これらの保険料を支払っていた場合も、この書類上に支払った金額を記載する必要があります。
最後に、近年はiDeCo等の利用者が増えていますよね。
この制度を利用している場合も、保険料控除申請を行うのですが、その際は小規模企業共済等掛け金控除の欄に記載をすることになります。
せっかくの税制優遇もここで記載をしなければ、その恩恵が受けられませんから、忘れないようにしましょう。
このように、書類上では4つの保険料の控除に対しての対応が可能です。
いずれも、みなさんに全く関係ない項目ではありませんよね。
特に、iDeCo等を始めたという人は、いつも通りに年末調整をせずに、新たにこの書類への記載をしましょう。
以前は配偶者特別控除と一緒の書類構成だった
ところで、保険料の控除に関する書類が単体で登場したのは、つい最近であることに気が付いた人はいませんか?
実は、平成30年からこのような書類形式になったのです。
ですので、経理に詳しい方から見ると、始めのうちは驚いたかもしれないでしょう。
となると、それ以前は専用の書類がなかったと思ってしまいますが、そうではありませんよね。
とある控除と一緒の形で、書類が作成されていたことを覚えているでしょうか?
それは、配偶者特別控除です。
平成29年度までは、両者は1枚の書類にまとめられていましたので、記載した記憶がある人もいるでしょう。
しかし、税制改正の動きにより、それぞれの内容を独立して書類を作成するようになったのです。
もしかすると、中には書く書類が増えて、手間が増えたと感じてしまう人もいるかもしれませんね。
これは、多くの人が1年に1回しか見ない書類ですが、税制度の動きに対応して変化していることが理解できるでしょう。
今年も年末に記載する時は、今回の記事を思い出してみて下さいね。
参考URL All About
(https://allabout.co.jp/gm/gc/14579/)
まとめ
今回は、保険料控除申告書について、どのような書類なのかを解説しました。
保険料の記載をする際は、それに応じた証明書の添付が必須になりますので、記載しただけでは適用されません。
保険料と言っても、人によっては支払っている内容が違いますから、控除の対象となるチャンスは幅広いです。
年末調整時は1年間の保険料の見直しができる機会にもなりますから、すぐに記載できるよう、必要な準備はしておきましょう。