現在、マスクが品薄の状況で、どこへ行っても見つかりにくい状況ですよね。
そんな中、マスクの転売で利益を得ようとする、悪質商売をしている人たちもいます。
しかし最近、そのマスクの転売に大きな動きが見られました。
マスクの高値転売禁止政令とは、どのような内容なのでしょうか?
政令の内容を確認しよう~どのような販売形態が該当するの?~
3月15日から、マスクの転売に関する規制が国としてしっかりと設けられました。
ご存知の方もいると思いますが、具体的にどのような行為にして、罰則が設けられたのでしょうか?
まだ、あまり内容を知らないという人もいるかもしれません。
ここでは、規制内容について、しっかりと確認しておきましょう。
・どのような行為が対象となるのか?
今回の転売規制の対象となる行為は、例えば、ドラッグストア等で購入したマスクを、インターネット等の販売場所において、高値で売ることになります。
つまり、自分で使用するのでなく、転売目的で買ったマスクを他人に高値で販売して利益を得ようとする行為だと思って下さい。
現在、感染リスクの不安感からマスクを求めている人、仕事上必要な人への供給が足りていない状況になっていますよね。
そのため、どうしても欲しいと思っている人は多いでしょう。
その背景には、転売目的で必要以上にマスクを買い集めている人の存在があるのです。
本来、現在のような状況ならば、お互いに助け合っていかなければなりませんよね。
ですので、許せないと感じてしまう人も多いでしょう。
しかし、すべての販売行為が対象となるわけではありません。
実は、本来の販売価格よりも高値で不特定多数の人たちに販売する行為は禁止されますが、ネットオークションに出品する行為は禁止になっていないことを知っていますか?
そのため、すべての販売行為がNGではないのです。
ここで注意したいポイントは、販売における出品価格が正規の価格よりも高値になっているかどうかになり、適正価格での販売ならば規制の対象外になるでしょう。
つまり、正規の価格で適正に販売をするのであれば、今回の規制の対象には当てはまらないと言えますよね。
似た事例として、マスクが不足している知り合いに対して売買する形も、今回の規制には当てはまりません。
しかし、売買契約の内容によっては規制の対象になる可能性もありますから、上記の形での販売行為を行う場合は注意して下さい。
そして、国内での販売行為に関わらず、海外に向けて転売する行為も対象になりますから、どのような形でも転売に対しては厳しい対応を取っていることになるでしょう。
・規制対象となるマスクの種類は?
ところで、マスクと言っても見た目だけでも色々な種類がありますよね。
今回の規制の対象となるのは、医療用、家庭用、産業用のマスクになります。
細かな種類は分からないという人は、基本的にドラッグストアで販売されているマスクの種類が対象になると思って下さい。
しかし、最近は市販のマスクが手に入らなくなったこともあり、ハンドメイドでマスクを作成している人もいますよね。
ハンドメイドのマスクは、規制の対象となるのでしょうか?
自分でマスクを作って販売する行為自体は、問題になりません。
しかし、ハンドメイドのマスクを購入し、それを高値で不特定多数の人に販売するような行為がある場合は、規制の対象となります。
つまり、日常で利用するマスク自体の種類を問わず、他者に高値で販売するような行為は基本的に規制に当てはまることになるでしょう。
・どんな罰則があるのか?
規制の対象となる行為を行った場合、以下のような罰則があります。
それは、1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金、またはその両方になりますので、決して軽い罰ではないことが分かりますよね。
この規制によって、転売目的の買い占めが防がれることを願うばかりです。
また、この罰則の対象は個人だけではありません。
例えば、会社の業務として転売行為をしなければならなかった、という事情がある人もいるかもしれません。
この場合、違法となる行為をしたのは従業員ですが、業務として命令をしたのは会社になりますよね。
あくまでも、実際に販売の行動をした人のみが罰則の対象になるのでしょうか?
このような事例の場合は、実際に行為を行った本人だけでなく、会社側にも罰則が適用されますから、個人だけで終わりということにはなりません。
そのため、法人で違法行為を行ったとしても、しっかりと処罰対象になりますので気をつけましょう。
マスクの転売を巡る動きと今後はどうなる?
そもそも、マスクの転売に規制が必要なほど横行したのは、「転売ヤー」と呼ばれる人たちの悪質な小遣い稼ぎの動きが原因です。
品薄になり需要が高まると、価格が高くなっても購入する人は、当然出てきますよね。
その気持ちに付け込んで、ちょっとした小遣い稼ぎで行う、と思っている人も少なくありません。
15日から規制が始まる、メルカリ等のフリマサイトでは、マスクの違法な転売は一見見られなくなりました。
しかし、どんな規制であっても、このような人たちは抜け道を探し、まだ活動している場合もあるでしょう。
一見すると他の商品の販売を行っていても、実際に発送されているのはマスクだったということもあります。
つまり、マスクの販売だと分からないようにして販売を行っている、という場合もあると言えますよね。
例えば、表示はペンの販売になっていますが、実際の販売のやり取りはマスクの内容だったという事例が、多く見られています。
事情を知らない人からすると、他の商品のやり取りをしている形に見えますから、まさかマスクを販売しているとは思いませんよね。
そのため、現在は一時的に落ち着いていたとしても、今後抜け道を駆使して、違法な転売行為を行っているという場合もあり得るかもしれません。
規制を設けても、所謂、”いたちごっこ”のようになってしまうでしょう。
また、マスク本体の価格は適正価格で販売していれば問題ないという部分を逆手に取り、異常な送料の設定をしている事例も増えています。
本体の価格だけを見ると、高値での取引ではありません。
しかし、このような事例の場合は、例えば送料に1万円を設定する等、本来ならばあり得ない価格で送料を設定しているのです。
これは、送料で儲けようとしている手法になるのが分かりますよね。
確かに、規制の内容に送料に関する具体的な内容はありませんが、異常な設定になっているならば規制対象となります。
そのため、送料の設定で規制を掻い潜ろうとしても難しいでしょう。
いかにして規制に引っかからないようにするのか、その戦略性が目まぐるしいですよね。
何より規制を設けたとしても、マスクの品薄状態が改善するとは言えません。
現実問題として、まだ供給が落ち着いている状態だとは言えませんから、入手困難な状況の人もいるでしょう。
まだまだ転売の動きは、影を潜めても見られるかもしれません。
本当の意味でこの問題が解決するのは、マスクの供給が安定した時点になるかもしれませんね。
規制の廃止への道のりは、まだまだ遠いかもしれないでしょう。
これからマスクの購入をする人は、違法行為で販売された商品を買わないようにするというのが、一つの抑止策になるかもしれません。
購入する側も、現在の状況を買える力になりますから、なるべく正規ルートでの購入をするように心がけたいですね。
参考URL
経済産業省
(https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/tenbaikisei_qa.pdf)
SankeiBiz
(https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/200316/cpd2003161155003-n1.htm)
まとめ
今回は、つい最近報道されたマスクの転売規制について、解説しました。
これは、品薄状況を金儲けの手段として捉え、異常な高値で販売している状況を食い止めるための策になります。
現在の状況は、ピーク時と比べると落ち着いているように見えますが、その一方で規制の抜け道を見つけて転売行為をしている人も未だにいます。
安定供給の目途がつくまでは、まだまだ落ち着く状況ではないのかもしれませんね。