経営者のみなさんにとって、契約者貸付と呼ばれる仕組みはよくご存じかと思います。
しかし、経営面においてどのような扱いになるのかについては、まだ不明な部分が多いでしょう。
これを機に、いざという時のため、正しい知識を知っておきませんか?
今回は、経営者に向けた契約者貸付の基本知識についてご説明しましょう。
経営者にとってどのようなメリットがあるのか?
法人保険で契約者貸付を利用する場合というのは、資金繰りに困った時になります。
つまり、様々な事情で経営状態が思わしくない時に、活用されるものだと思っていいでしょう。
一般的な契約者貸付と仕組みは同じですので、短期間で融資が受けられることと、金利が安いという点がメリットになります。
そのため、資金調達の面から見ると、金融機関から借り入れするよりもハードルが低いことになりますよね。
ですので、本当に困った時に早い段階で資金を手に入れられる方法だと思って下さい。
そして、企業ならではのメリットとしては、この借入金額は経理上の「益金」になりませんから、課税の対象とはならない特徴を持っています。
経理上で言うところの「借入」の扱いになりますから、特別な形式で記載する必要はありません。
課税面においてもちょっとしたプラスになるならば、そこまで負担になる借入にはなならいのです。
もちろん、解約返戻金との兼ね合いもありますが、急にまとまったお金が必要になったという場合には心強い仕組みになるでしょう。
法人保険に加入している場合、多様なリスクに対応できるメリットがありますが、資金面でのリスクにも対応できるのです。
このような事情を知ると、加入しておいた方が良い事実に納得できますよね。
また、このお金に関しては、何のために使うお金なのかということが決まっていません。
つまり、使い道は経営者自身が判断して良いのです。
例えば、運転資金以外にも、新しい設備のための投資費用や次年度の保険料等、幅広く活用できるでしょう。
これだけ自由な借入制度は、あまり見かけませんよね。
使い道の制限がなく、自由に充てられるのも魅力の1つとなるでしょう。
制度の注意点~活用後の経営を見据えて行動しよう~
契約者貸付は、経営者にとって使い道の自由な借入ということがご理解頂けたかと思います。
魅力的な仕組みである一方で、注意しなければならならない部分もあるのです。
それは、契約者貸付の使用中に、保険の解約をしてしまった場合になるのですが、この時の解約返戻金の扱いがやっかいかもしれません。
実は、受け取った解約返戻金は課税対象となるため、その納税額に企業の資金力が耐えられるかどうかが問題になってくるでしょう。
そのため、節税面から見ると、あまりお得ではないということが伺えますよね。
最も注意したいのは、経営状態が赤字でない時に受け取った場合です。
解約返戻金は「雑所得」の扱いで計上されますが、赤字でない状態の時だと返戻金の全額が課税対象として見なされてしまいます。
つまり、受け取った金額よりも高額な納税をしなければならない可能性が出てくると言えるでしょう。
ですので、資金繰りが一時的に何とかなったとしても、保険の解約時のタイミング等見越した運営をしていかなければ大変なことになってしまいますよね。
活用の幅が広いお金ではありますが、上手く利用しなければ、後々経営者の首を絞めてしまう事態になり兼ねません。
活用できる分に越したことはありませんが、その後にどのような保険の運用をしていくのかは十分検討した方がいいでしょう。
参考URLほけんROOM 法人保険
(https://hoken-room.jp/corporate-insurance/5160)
まとめ
本記事の内容は、資金繰りで困った際に、是非検討してほしい方法の1つです。
しかし、返済期間をいつに設定するのかによって、受け取れる解約返戻金にも影響が出てきますから、注意が必要です。
現在のような状況で困っている中小企業や事業主がいる場合は、こうした方法があることを忘れないで下さい。
経理上のタイミングを見計らって利用できるとまたメリットが生まれますから、心強い存在になるでしょう。