COVID-19パンデミックで、大々的に取り上げられた業界である自動車業界。
国内にある有名企業であっても、そのダメージを完全に避けることはできませんでした。
ですが、現状は黒字を見込んでいる所もありますよね。
ダメージを受けているのに黒字というのは、なぜなのでしょうか?
今回は、業界の疑問に迫りたいと思います。
自動車業界のダメージの大きさ
自動車業界のダメージの大きさは、連日のニュースでも報道されていましたが、具体的にはどの程度になるのでしょうか?
まずは、ダメージの度合いについて解説したいと思います。
日本国内の主要自動車メーカーの4月~6月までの決算結果を見てみると、7社のうち5社が赤字状態であることが分かっています。
企業の規模はどうあれ、半数以上の企業でダメージを受けていることは、業界内では大きな痛手になりますよね。
自動車業界の場合、ダメージの背景にあるのはサプライチェーンとの連携が取れず一時生産がストップしたり、販売ができなかったりしたことが関係しているでしょう。
特に、工場での生産停止には、多くの従業員が関わっていますので、休業補償等の対応に追われていたことが予想できますよね。
また、外出自粛に伴って、従来なら可能な営業や来客が減少してしまいました。
収益を確保できないだけでなく、生産状態に影響があるとなると、思ったような運営ができなかった状態と言っても過言ではありません。
実際に4月~6月までの販売台数の現状を見てみると、全ての企業で3割~6割以上の落ち込みがありました。
ダメージがあっても回復の見込みがあるのはなぜ?
しかし、企業の中にはこれからは回復していくと予想を立てている所が少なくありません。
中には、黒字まで回復できると考えている企業もあるようです。
そう考えている理由は、自社改革や取引先での状況改善が関わっています。
先程説明したダメージを受けた企業の中には、赤字状態でない企業もありましたよね。
実は、COVID-19パンデミックの影響があったにも関わらずダメージを最小限にできたのは、従来から社内改革を行っていたことにあるのです。
このような考え方を取っていたのは、トヨタ。
従来から車を作る際のコスト削減を掲げており、原材料や生産の改善を行っていましたので、ダメージ軽減が実現できたのでしょう。
社内改革の影響はいかに大きいか、はっきりできた部分になります。
その一方で、日本の自動車市場だけでなく、海外市場の影響を考慮して状況が回復すると判断している企業があります。
ここでは、ホンダやSUBARUが挙げられるでしょう。
ホンダの場合は、自動車に限定せず、オートバイに注目した販売に強みを置いています。
日本だとオートバイはあまりメジャーな移動手段ではありませんが、海外では主流になっていますよね。
特に、市場が停滞していた中国が、徐々に回復傾向になっていますので、中国での販売に期待ができるでしょう。
同様に、SUBARUはアメリカ市場での販売台数を見込んで回復できると考えています。
実は、SUBARUの販売台数の7割はアメリカ市場での結果になっており、国内よりも国外の方の需要が高いことが分かりますよね。
失礼な話かもしれませんが、日本よりも海外で売上を伸ばしているメーカーは意外と多いのです。
つまり、SUBARUにとっては、アメリカでの市場や販売状況が回復することが、自社の回復に繋がる要素になるのは間違いないでしょう。
しかし、上記2社は基本的に海外市場が安定していることが前提での予測になります。
第二波や再びロックダウンが発生すると、追加ダメージを受ける恐れが十分にありますよね。
海外市場の動向が、より注目される業界になりそうです。
参考URL NHK
(https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20200806.html)
まとめ
COVID-19パンデミックは、自動車業界の生産から販売に至る全ての部分に影響を与えました。
その結果、雇用・経営面での計画が狂った企業も少なくありません。
反対にこのような状況下でも、黒字経営や経営状態の回復を見込んでいる企業もありますから、全体で落ち込んでいるとも言えませんね。
一方で、感染リスクを考えた上での販売や生産方法の確立が急務になっており、新しい生活様式への対応が第一になって