皆さんは、在宅勤務が自分に合っていると思いますか?
コロナ禍によって在宅勤務を導入した企業も多いですが、全ての従業員に受け入れられている訳ではありません。
場合によっては、「コロナ鬱」になってしまう人もいるのです。
コロナ鬱になってしまう原因は、どこにあるのでしょうか?
在宅勤務だからこそ発生する不調
コロナ鬱になってしまう原因には、以下の要因が考えられます。
①不規則な生活になってしまうこと
②コミュニケーション不足で息抜きができないこと
③コロナ禍が長引くことによる不安があること
在宅勤務には、人によって向き不向きがあります。
感染リスクを回避するための手段であっても、長期化していることでストレスを感じている人もいます。
ここでは、具体的な不調の発生要因について見ていきましょう。
①不規則な生活になってしまうこと
コロナ鬱になりやすい要因の1つには、不規則な生活が挙げられます。
従来の勤務スタイルの場合は、朝決まった時間に出社し、夕方や夜に帰宅していました。
出社時間に差はあれども、毎日決まった時間に行動するような生活習慣ができあがっているのです。
在宅勤務であっても、従来と変わらない勤務時間で働いている人もいますが、全員がそうではありません。
業務内容によっては、就業時間内に終わらず夜遅くまで作業をしていることもあるでしょう。
さらに、就業時間を従業員に任せているような場合は、そもそもの業務時間も不規則になってしまうかもしれません。
人間は、規則正しい生活から外れてしまうと、知らず知らずのうちに自律神経が弱まってしまいます。
その結果、本来の生活に戻れず、鬱状態になってしまうのです。
また、出社しないため、運動不足になってしまうことも鬱に影響しますから、心と体の両方に気を配らなければなりません。
②コミュニケーション不足で息抜きができないこと
在宅勤務で生じる原因の2つ目は、業務上のコミュニケーションが取りにくいことが挙げられます。
問題は、業務面に留まりません。
何気ないコミュニケーションが少ないことも、コロナ鬱の原因になり得るのです。
職場にいる時は、業務の話だけでなく、気の合った人と会話することが息抜きになる場合もあるでしょう。
また、直接会話する雰囲気を大切にしている人もいます。
そのような人にとっては、在宅勤務で一人の作業をしなければならない環境が不向きなのです。
また、人と関わることで、他人の体調や自分の不調に気づくこともあります。
特に、複数人で協力しながら業務を行うような職種にとっては、真逆の環境だと捉えてもらっても構いません。
もちろん、基本的に一人で業務に取り組む職種もありますから、在宅勤務でストレスがなくなった人もいます。
ですが、コミュニケーションの有無が従業員のメンタルに関わっていることは否定できません。
「孤独感が増す」と感じている人もいますから、このことはコロナ鬱のきっかけに最もなりやすい事情になります。
③コロナ禍が長引くことによる不安があること
コロナ鬱の要因の3つ目は、コロナによる不安がまだ継続していることです。
在宅勤務が始まった当初は、ほんの数カ月辛抱すれば良いだけで、元通りの生活になると思っていた人も多いでしょう。
それが、現在の状況を見ると、まだまだ続いています。
それどころか、地域によっては感染拡大の恐れが増していることから、在宅勤務の必要性が高まっていると言えます。
この状況に、「もう疲れてしまった」という人はいませんか?
実は、このちょっとした思いも、コロナ鬱に関係してきますから軽視していけません。
在宅勤務によるストレスだけでなく、外出が思うようにできない、会いたい人に会えないといった気持ちは、誰もが抱いています。
このような気持ちは、所謂ネガティブな感情になります。
私たちは、ネガティブな感情が発生すると、何らかの方法で発散し、解消しようとします。
それが、ストレス発散で行われる運動や、趣味を楽しむ時間になりますから、気分転換したいという気持ちを軽視してはいけません。
ですが、現在の状況下で気分転換をするとなると、できる方法は限られてしまいます。
人によっては、コロナ禍でも趣味を十分に楽しめている人もいるでしょう。
しかし、密集する等の事情から、気分転換として行動できない方法を持っている人もいるはずです。
そうなると、ネガティブなループが続き、ポジティブな感情に戻れなくなってしまいます。
その結果、気分が落ち込んだまま、中々前を向けないと考えてしまう人も少なくありません。
気分転換が気軽にできない環境は、仕事のモチベーションだけでなく、その人のエネルギーを奪ってしまいかねません。
「いつも通り働いている人がどうして…?」という状況があった時は、仕事に関わらず、環境に疲れてしまっていることも原因として考えましょう。
企業に求められるコロナ鬱リスクへの対応
ところで、コロナ鬱になり得る要因が多岐に渡ることをご理解頂いたと思います。
それを踏まえた上で、企業でできることには何があるのでしょうか?
その大きなポイントは、バーチャル面でのストレスという要素を理解することです。
従来までの仕事関連のストレスは、リアル世界で起こっていることがほとんどでした。
例えば、人間関係が上手くいかなかったり、仕事でパワハラ等が横行したりしていることが挙げられるでしょう。
これらのストレスは、職場の環境が変わればストレスを削減できるように、解決策が分かりやすかったのです。
しかし、バーチャル面から生じているストレスは、単に環境が変われば快適になると言えません。
何より、環境の変化がストレス源になっているのです。
つまり、環境を変えて対応するような、従来の方法では従業員のサポートになりません。
原因が違うからこそ、対処法も見直すべきなのです。
バーチャル面でのストレスは、先程ご説明した通り、生活習慣から心理的な不安といった直接見えにくい部分で発生しています。
従って、企業側としてできることは、従業員の内面にある問題や不安を、少しずつ解消していくしかありません。
場合によっては、産業医や専門の相談機関へ結び付けてあげる等、橋渡しの役割も求められるでしょう。
最初にすべきことは、現状に困りごとや不安がないかを知ることです。
話すことでストレス解消になることもありますので、個人で抱えないように定期的な連絡を欠かさないようにして下さい。
コロナ鬱は、複数の要因が絡んでいることが多いですから、いかに原因を究明し、可能な対策を取れるかがリスク回避のポイントになるでしょう。
まとめ
今回は、在宅勤務に潜むリスク「コロナ鬱」についてご説明しました。
鬱になってしまう原因は、リアル世界だけにありません。
在宅勤務で人との関わりが減った時でも、起こり得る原因がたくさんありますから、どのような状況でも想定されるリスクと考えましょう。
早期発見のためには、定期的に従業員と連絡を取ることが大切になりますので、些細なきっかけでも大切にするようにして下さい。