会社を倒産させないための資金繰りの方法として、現金預金を潤沢にしておくことがあげられます。借入金の総額が少ないから安全な経営と考えるのは大間違いで、資金が不足したら銀行に慌てて融資を頼むという流れは良くありません。
融資は受けたい時に受けておくことも必要です。現預金が減少する日には月商1か月分(できれば月商3か月分)の現預金を保有しておくことが望ましいでしょう。
そうすることによって資金繰りがしばらくは円滑になるため経営に安全さが保てます。キャッシュフローが不足することで減った現金預金を潤沢にしておくためにもまずは銀行から融資を受けることを検討してみましょう。
無借金経営のメリットは?
銀行から融資を受けていなければ、借入金の返済がありませんので利益が出ていれば資金繰りが安定して財務基盤は強固にすることができます。倒産リスクは少なくなり、安定性が高く評価されるでしょう。
借入金を作ることは悪いことなのか?
では銀行から融資を受けることは会社にとって悪いことなのかというとけっしてそうではありません。会社は利益が出なかったとしても資金が続けば事業を継続することが可能になります。資金が底をつけば継続することは難しくなるでしょう。
そのため手許資金を安定化させるため、借入金を使うこともあります。余剰資金があれば無借金でも良いですが、アクシデントが発生して売上先から資金の回収が不能になった場合や赤字が拡大して資金繰りができなくなるリスクが潜在しています。
無借金経営が本当に一番?
借入金がゼロだから良い経営状況にあるという考え方は一度リセットしてみましょう。無借金経営にこだわるのであれば、試算表でキャッシュフローが返済額を上回っていれば可能です。
キャッシュフローが下回っている場合には、返済が進むにつれて現金預金量が減少していくことになり、資金繰りが回らなくなる状態になります。
借入総額が少ない経営が安全な経営だと間違った認識をしていると、いずれは資金繰りに失敗してしまうことになり会社は倒産してしまいます。
いざという時の信頼関係も必要
銀行から融資を受けるには銀行と良い関係を築いておくことも大切です。良い関係を作るとは、実績を作ること。借入をするという実績に対して着実に返済したという実績を作ることにより、銀行からは信頼されます。
そしていざ資金が不足して困った時に、銀行に泣きついたとしてもすぐに融資をしてくれるとは限りません。資金的に余裕がある時のほうが融資は受けやすく、いざという時の対応策を増やすことに繋がります。
借金は悪ではない理解も必要
無借金の安心感と資金繰りが安定する安心感はどちらを希望するでしょうか。現在の超低金利という状況で、非常に割安な金利で資金調達ができます。
このように低コストで融資を受けておくことは高いコストの時期に備えるという意味で経営者の判断が必要になります。
使い道がないのに融資を受けるなんておかしいと思うかもしれませんが、業績が良いうちに借りておくのも倒産防止に繋がります。