事業経営には事業承継計画が必要不可欠な理由

現在各地で地震が多発している状況で、今後はいつ大地震が起きてもおかしくない状況でもあり、どこに住んでいても安心できる状況ではありません。

もしも会社が震災により被災した場合、それまで長期で育ててきた会社を廃業してしまうのか、なんとか継続して後継者へ引き継ぎ発展していくかを検討することになるでしょう。

せっかく続けてきた会社ですから、誰もが廃業という選択はしたくないでしょう。スムーズに事業承継ができるためには「事業承継計画」を立てておく必要があります。

今の状態を把握することが大切

現在の会社に経営資源がどのような状況を把握しましょう。従業員数、従業員の年齢、資産額やその内訳、キャッシュフロー、将来への見込みなど、様々な点から経営リスクを把握していきます。
・経営者の状況

保有自社株式の株価評価、個人名義の土地や建物など不動産の現状、個人の負債や個人保証等の現状
・後継者候補の状況

親族内に後継者候補は存在するのか、それとも社内や取引先から後継者候補を見つけるのかなど、後継者として誰を候補にするかなど状況の確認を行います。

さらに候補となる人の年齢や経歴、経営に対する意欲や能力など適正について確認する必要があります。
・予想される問題点

株式保有状況などの確認、相続財産の特定、相続税額の資産、納税方法、法定相続人同士の人間関係などで問題が生じる場合もあります。

承継方法の選択と後継者の確定

誰を後継者に選ぶかを検討する必要があります。親族内で承継するのか、従業員へ承継するのか、さらにはM&Aという方法もあります。

M&Aは、企業の合併や買収にことを言いますが、2つ以上の会社が一つになる合併、もしくは会社が他の会社を買う買収があります。

この3つの方法のうち、後継者を決定したら教育を実施して決定力を身につける必要があります。

事業承継計画の作成

事業承継についての方向性が固まった後は、具体的に計画を作り上げて作業していく必要があります。

社内や取引先など人が関係することについては、周囲の協力や理解を得て具体的な対策を実行していきましょう。

親族内承継の場合には、事業承継計画の公表と経営体制の整備、後継者の育成、株式や財産の分配などが必要です。

従業員や外部の人へ承継する場合には、今の経営者の親族から理解を得ることが必要でしょうし、個人保証や担保の処理なども検討しましょう。

事業承継を円滑に行うために

事業承継は法律だけでなく関係者の思惑が複雑に絡み合うことも多いのですが、継続して事業を行う上では避けて通ることができません。

円滑に進めていけるかについては主導となる経営者次第です。なるべく早く対策を実施し、計画性と周囲から理解を得ながら幅広い視野で実施していくようにしましょう。

経営者の事業承継に対しての意識を強く持つことが最も重要ですので、問題を先送りにしたりせず早い段階から長期的で明確なプランを立てることができるようにしましょう。