ガーシーchとは?~法的リスクを考える~

真実の眼鏡

ガーシーchは、YouTubeで人気のチャンネルです。
芸能人の裏側を暴露するという内容の配信をしていて、芸能人のプライベートや話題となった出来事の真相などを暴露しています。
解説から50日でチャンネル登録者数が100万人を超えるほど注目されているのですが、法的に問題はないのでしょうか?
法的リスクについて、解説します。

ガーシーchとは?

ガーシーchというのは、東谷義和さんが運営しているYouTubeのチャンネルです。
サブタイトルに「芸能界の裏側」と付いていて、その名前の通り芸能人のプライベートに関する話題を話していくという内容になっています。

芸能界の裏側というのはよく言われているものではありますが、そのほとんどはガセネタです。
つまり、ほとんどの場合は信用することができないのです。

それなのに、なぜガーシーchは人気があるのでしょうか?
それは、ガーシーchで言われている裏事情は非常に信頼性が高いものと言われているからです。

東谷義和さんの名前が登場したのは、同じくYouTuberの「ヒカル」さんによるものです。
2021年12月に、ヒカルさんの動画で詐欺師として晒し上げられたことで、東谷さんは全てを失ったのです。

それは、YouTuberの「ヒカル」をキャスティングできると言ってキャスティング費用と広告費として132万円を振込させたものの、その動画が撮影されることはなく、被害者から返金を求められて応じたものの先延ばしにされて返金されないというものでした。

そして、ヒカルは自身の動画の中で、その詐欺師は東谷義和という人物であり、これとは別に女の子に「BTS」に会うことができると言って騙しているという動画も公開しています。

ただし、詐欺に関してはあくまでも疑惑でしかなく、確定していなかったのです。
ただ、そのせいで東谷さんは自宅の住所を公開されて家族も被害に遭い、そのせいで家族とも疎遠になってしまい社会的信用も喪失してしまいました。

それをきっかけとして、自身で芸能界の裏側を暴露するYouTubeチャンネルを開設したのです。
そして、YouTuberヒカルへの反論を動画で公開し、怒りの声をあらわにしました。

それに続いて、事件のせいで手のひらを返したタレントの秘密も暴露するということも宣言しています。
なぜそのようなことができるのかというと、東谷さんは元々芸能界の裏方として働いていたからです。

その際は、アテンドという役職で活動していました。
アテンドというのは、世話をしたり付き添ったりする役割の人です。
専属ではないマネージャーのようなイメージが、近いと思います。

その際は、芸能人のロケの際の宿泊場所や交通手段などの手配をするほか、希望に応じて合コンをセッティングして異性を紹介することもあります。
そういった仕事をしていたので、芸能人の裏事情もよく知っているのです。

自身のYouTubeチャンネルでは、そういった中で知ることができた芸能人の表ざたにされない事情などを暴露しています。
対象は、芸人からYouTuber、有名俳優、ジャニーズタレントなど多岐にわたります。

そのチャンネルを開設してから、10日ほどで登録者数は10万人を突破し、3週間で58万人を超えました。
そして、50日目に100万人を突破して現在は123万人以上という、破竹の勢いで活躍しています。

100万人記念としては、爆弾級の暴露話を投下しています。
それを見ると、手のひらを返した芸能人に対する大きな怒りが伝わってきます。
綾野剛さんや城田優さんのスキャンダルなども、暴露しています。

暴露に対する法的リスクについて

このような暴露系の動画については、表現の自由だという意見があります。
法律上で、報道などで押さえつけられ情報が制限されることを避けるため、表現の自由というのは強く保護されているのですが、それとは別に名誉毀損やプライバシー権の侵害という面もあります。

週刊誌などの報道でもよく言われているものですが、報道する側が世間に広く情報を知らしめようとするため、その記事の当事者が望んでいない場合でも情報が公開されてしまうのです。
そこで、報道する側とされる側との意見が対立することになります。

週刊誌の場合、不適切な内容を報道してしまうとバッシングを受け、評価が下がってしまいます。
そうなると、嘘ばかりを報道するという不名誉な評価がされることもあるため、報道する前に何重にもチェックを受けてから発行されます。

しかし個人のYouTubeチャンネルではそういったチェックがされないので、偏向的な内容での発言が多くなります。
特に、ガーシーchのように復讐心を露わにしている場合は、感情的になりやすく伝え方も過激になっていくでしょう。

この場合、報道された側である芸能人が名誉毀損やプライバシー権の侵害で訴える可能性はあります。
しかし、裁判となった場合は芸能人側にも大きなデメリットが生じるのです。

例えば名誉毀損として訴えた場合、争点として重要なのは内容が真実かどうかという点です。
嘘なら名誉毀損が成立しますが、真実であれば違法性には欠ける、と判断される可能性が高いのです。

また、裁判では東谷さんも反論反証が出来るので、真実であるという証拠を提出されてしまう可能性があります。
そうなると、芸能人側は嘘だと訴え続けることが難しくなり、言われたことを認めざるを得なくなるかもしれません。

プライバシー権の侵害に関しては、そもそもプライバシーに該当するような内容かどうか、という点があります。
その際、やはり反論反証を受けて内容が事実であると証明されてしまう可能性もあります。

また、東谷さんは別途詐欺の容疑にも問われていますが、その他に芸能人からもお金を借りていると動画で明かしています。
その詐欺で奪ったお金や借りたお金はYouTubeの収益で返金すると言っているのですが、逮捕された場合は返金が不可能になる、というのも訴えることをためらわせる理由の1つでしょう。

しかし、詐欺被害については被害者が1人でも訴えれば逮捕される可能性もあります。
そうなるとYouTubeチャンネルは閉鎖されることもあり得るので、やはり返金されなくなってしまうでしょう。

まとめ

東谷義和さんのガーシーchは、芸能界の裏側を暴露するという内容で人気があるのですが、内容が過激な点もあるためもしかしたら訴えられてしまう可能性もあります。
しかし、動画の内容が真実と認められた場合に芸能人側もデメリットを被ることになるため、早々訴えられることはないでしょう。
訴えられるとしたら、詐欺容疑の方が可能性は高いでしょう。