2024年11月のアメリカ大統領選挙はトランプ氏の勝利で幕を閉じましたが、選挙終了後には様々な波紋が生じています。
ビットコインにも影響は及び、選挙終了後に高騰するという事態が起こっているのです。
なぜ、アメリカ大統領選後にビットコインが売れているのか、理由について解説します。
大統領選後に高騰したビットコイン
多くの種類がある暗号資産の中でも最大の規模であるビットコインが、2024年11月21日に過去最高の1,500万円を記録しました。
同年3月に1,000万円を突破してから上昇基調になっていたのですが、急騰した背景にはトランプ氏が大統領選で当選したことがあるのです。
トランプ氏は、過去に暗号資産に対しての政策転換を表明したことがあり、反暗号資産的な取り締まりの終結を約束していたのです。
また、内国歳入庁が押収したビットコインを国家戦略の準備金として活用するという方針も示し、規制が緩和されるという期待が市場を押し上げています。
SECも、1月にビットコインの現物を裏付け資産とした上場投資信託の上場を承認しており、暗号資産への投資に機関投資家も参入するようになったのです。
また、4月に起こったビットコインの半減期によって新規発行数が少なくなったことで、希少価値が上がったことも価格上昇の要因となりました。
かつては1円以下の価値しかなかったビットコインは、15年ほどで1,500万円以上に値上がりするという驚異的な成長を遂げ、暗号資産の代表となったのです。
今後のビットコインのシナリオは?
今後のビットコインがどうなるのか、AIによる分析とシナリオ作成が行われたので、主な内容を紹介します。
トランプ新大統領が暗号資産に対して発言した内容としては、以前は否定的な立場だったものの現在は積極的な推進派になっているのです。
アメリカを暗号資産の中心地にすると宣言して、マイニングも国内で推進するという方針を示しています。
家族とともに暗号資産プラットフォームも立ち上げていて、個人的にも暗号資産ビジネスに関与するようになったのです。
今後のビットコインの価格に関するシナリオとしては、基本的なシナリオとして2,500万円以上になると想定されています。
楽観的なシナリオでは、需要の増加などで4~5,000万円になると考えられますが、慎重なシナリオでは法案成立の遅延などがあって2,000万円以下に留まると予測されたのです。
各シナリオの発生確率としては、基本シナリオが55%、楽観シナリオは25%、悲観シナリオは20%の確率で発生すると予測されています。
トランプ政権下でのビットコイン価格については、3,000万円ほどに上昇するという予測が最も実現する可能性が高いといえるでしょう。
しかし、今後の中間選挙の結果やビットコインのマイニングに関する環境負荷への批判などの不確実な要素も多いため、考慮する必要があります。
トランプ政権下での暗号資産
トランプ政権下では、暗号資産に対する可能性が以前より高まることになりますが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか?
まず、トランプ氏は以前暗号資産に対しては否定的な姿勢を示していたのですが、今回は暗号資産に対して肯定的な姿勢へと変わっています。
2019年には、暗号資産を詐欺的な通貨と批判していたのですが、今はアメリカを暗号資産の世界の中心地にするという宣言しているのです。
積極的な推進派へと転換しているのですが、方針を転換した背景にはトランプ一族が暗号資産ビジネスに本格参入したという事業戦略があります。
World Liberty Financialという暗号資産プラットフォームを設立して、次男をはじめとして多くの親族が運営に携わっているのです。
また、SECのゲンスラー委員長の解任を含めて、暗号資産への規制を緩和する方針を明確に示しています。
現政権下で暗号資産への規制が強化されていたのですが、政権交代に伴って規制を見直し、機関投資家が参入しやすいようにする可能性があるのです。
また、IRSに押収されたビットコインについて、国家準備金として活用するという国家戦略的な活用の可能性も示しています。
国内でのマイニング産業に対する育成方針も示されているため、暗号資産の制度的地位を大きく向上させる要因となるでしょう。
様々な特徴を総合的に判断してみると、トランプ政権下では暗号資産市場が新たな成長フェーズに入るかもしれません。
暗号資産市場の成長の背景には規制の緩和や制度整備の進展があり、トランプ氏の方針は市場の成長を後押しするものとなるでしょう。
特に、ビットコインはETFの承認を受けたことで機関投資家マネーが大量につぎ込まれることが予想されます。
さらに、トランプ政権による政策的支援が生じると、機関投資家も参入してくるようになり、トランプ氏の政策的支援が物価上昇の追い風になるでしょう。
ただし、今でも環境問題への対策を求める声や、金融システムの安全性の確保、克服しなくてはならない課題も多く存在しています。
今後、投資家は政策動向に注目しながらポジション管理を中長期的視点で行う必要があるのです。
トランプ政権下では、ビットコインの価格は2026年第1四半期には3,000万円程度まで上昇するのが基本シナリオとなっています。
しかし、政策が実現するか不確実性があり、外部環境も変化してしまうため、予測は大きく上下に変動してしまう可能性もあるでしょう。
マクロ経済環境の変化や地政学リスクの高まりなど、不確実性が増大する中、暗号資産市場は新たな転換点を迎えています。
投資にあたっては、暗号資産特有の価格変動リスクや流動性リスク、セキュリティリスクなどを十分に理解する必要があるでしょう。
リスクについて十分に理解したうえで、自己の投資方針や投資リスクの許容度に応じて慎重に判断することが求められることになります。
まとめ
トランプ氏が大統領選挙で勝利したことで、ビットコインの市場も高騰し1,500万円を超えることとなりました。
ビットコインが高騰した背景には、過去に暗号資産に対して否定的な立場だったトランプ氏が一転して、肯定的な姿勢を示すようになったことが挙げられるでしょう。
トランプ一族も暗号資産プラットフォームを開設するなど、暗号資産を盛り上げる立場に変わったことで、政策においても暗号資産肯定派に変わったのです。