投資の手法の1つである分散投資は、投資先を1つではなく複数に分けることや、一定時間ごとに投資するなどの方法です。
個人投資家はリスクを考慮すると分散投資を行った方が良いのですが、実行するときはどのようなポイントに注意するべきでしょうか?
分散投資のポイントについて、解説します。
分散投資にはどのような意味がある?
投資にはいくつかの方法があり、分散投資も代表的な投資方法の1つですが、分け方はいくつかあるのです。
基本的な方法としては、複数の資産に分けて投資をすることをいうのですが、同じ資産に時間をおいて投資するという方法もあります。
資産の分散では、資産の特性によって分けられた複数の資産を組み合わせて投資するため、例えば株式だけではなく国債、不動産投資などに分けるのです。
値動きの要因が異なる資産を選び、複数を組み合わせて投資することで、リスクを分散することができます。
また、資産がある国や地域によって分散するという方法もあり、国や地域、通貨などによって分けた資産を組み合わせることでも、リスクを軽減できるのです。
新興国と先進国では経済成長率も違えば、国ごとにあるリスクにも違いがあるため、組み合わせることで偏りを避けることができます。
また、使用している通貨の値動きが異なれば、為替変動による損害も軽減することができるでしょう。
株式投資においては、値動きに共通点が少ない銘柄の組み合わせで投資をすると高い効果を得ることができます。
例えば、景気が良くなると株価が上昇しやすい銘柄と、景気の影響を受けにくい銘柄とを組み合わせると、景気が転換した時のリスクを抑えることができるのです。
景気の影響を受けやすい銘柄のことは景気敏感銘柄といい、鉄鋼のような素材関連の企業や自動車メーカーの株式などがあります。
景気の影響を受けにくい銘柄はディフェンシブ銘柄といい、食料品や医薬品など常に一定の需要があるものに関連した銘柄などです。
また、国内株式と先進国株式、新興国株式などの外国株式、国内債券と先進国、新興国それぞれの国債、国内と先進国のリートなどはそれぞれ値動きが違います。
投資信託のファンドには、8資産や6資産など国内外への分割投資をしているものも多く、投資割合も均等型やバランス型など様々です。
資産ごとに損益が異なり、リターンは単一資産への投資と比べて大きく動きにくいため、安定して増やしていく投資に向いています。
複数の資産に投資すると、大きく勝つことが難しいものの、大きく負けにくいというメリットがあるのです。
同じ額の投資で、毎年10~20%の増減を繰り返して最後にプラスの成績になったとしても、毎年2%ずつプラスになっていった方が最終的なプラスは大きくなります。
投資先となる資産はリスクが大きいほど大きな利益を狙うことができるのですが、損失が出た場合も大きくなってしまうのです。
変動が大きいと資産形成がうまくできず、場合によっては途中で投資を続けられなくなるほどの損失が出るかもしれません。
投資がうまくいっている状態では、利益がさらなる利益を生み出すようになっているため、資産を減らさないようにしていれば、徐々に増えていくのです。
お金を増やして将来使おうと思っているのであれば、リスクが大きいとマイナスになったときの心理的なダメージが大きくなってしまいます。
資産を減らさないよう守りながら少しずつでも増やしていった方が、気持ち的にも安心して投資を続けていけるでしょう。
例えば、外国株式への投資は為替変動も伴って大きなリターンを得ることができる可能性は高いのですが、国内株式の方が値下がり幅は少なくなります。
リスクを考慮した分散投資の重要なポイント
分散投資を行うことで投資のリスクを減らすことができるのですが、分散投資というのは一度投資したら資産が増えるまで放置していいというわけではないのです。
リスクを考慮して分散投資をしている以上、リスクが増えるようなことは避けた方が良いため、適宜リバランスを行うことが重要となります。
リバランスというのは、投資を行っている間に変動した相場などから改めて投資する比率を考え直すことです。
投資している資産によって値上がりするものもあれば値下がりしているものもあるため、投資を開始したときと同じバランスでは不都合になることもあります。
また、最初は均等に投資していても、相場が変動したことで価値が変わってしまい、比率も変化しているでしょう。
再び均等にするためには、値上がりしている資産の一部を売却して利益を確定させ、値下がりしている資産を買います必要があります。
リバランスは、投資における重要なファクターである、安く買って高く売るという行為を行うタイミングとなるのです。
簡単に分散投資をするには?
分散投資は投資のリスクを抑えるために重要なことですが、投資に慣れていないときはどの資産に投資すればいいのか、判断が難しいかもしれません。
複数に投資する場合は、それぞれの投資対象を分析して評価する必要があるのですが、自分で分析するのは困難でしょう。
また、投資対象を増やすためには必要な資金も増えてしまうのですが、投資を始めたばかりで資金に余裕がない人も少なくありません。
投資を始めたばかりの人が効率よく少額で分散投資をしたいのであれば、投資信託で資産を運用するといいでしょう。
投資信託というのは、複数の投資家から集めた資金をまとめてファンドが運用し、得た利益を配分するという仕組みになっています。
ファンドによって投資対象は異なりますが、必ず分散して投資をしているため、1つのファンドに投資するだけで分散投資ができるのです。
また、分散投資の対象や配分については投資のプロが判断しているため、投資初心者でも安定した運用益を得やすいというメリットもあります。
まとめ
投資において、分散投資はリスクを低減するための基本的な方法で、個人投資家であってもリスクを考慮すると分散投資をすることが必須といえるでしょう。
分散投資をするうえでの重要なポイントとしては、最初に投資配分を決めたまま放置せず、適宜リバランスを行うようにしましょう。
投資を始めたばかりだと投資対象の判断が難しいため、悩んだときは投資信託に投資するのがおすすめです。