製造業:製造業者の海外進出のリスクは?

中小企業の製造業者が海外展開を始めるにあたり、乗り越えていくべき障壁について考えていかなくてはいけない課題やリスクについて分析していきましょう。


輸出企業が直面する課題とリスク
輸出企業の場合、商取引面での課題とリスクについて企業の4割以上が現地におけるマーケティングや、現地ニーズについての情報収集と把握とこたえています。輸出を開始する時と同じように、販路開拓に関して課題に直面している企業が多いと言えるでしょう。
事業環境面では、輸出においての取引通貨は円を利用する割合が最も高く、従業者規模が小さな企業の場合には傾向がより強くなっています。
・輸出企業の為替リスク
輸出企業の為替リスクに対する対応策は、取引の円建て化を実施している企業の割合が最も高く、従業者規模の小さな企業の場合にやはりその傾向が強く現れています。
従業者規模が大きい企業の場合での為替リスクへの対応策は、原材料や部品の調達方法を変更するという策や、設計変更や経営努力によるコスト削減といった策が実施されるなど多様な対応策が特徴になっています。
・円建て輸出企業に大切なこと
円高環境下での海外では製商品価格の上昇をもたらす環境であると言えますが、海外販路の開拓のために、商品の研究開発など自社の製商品の魅力を高めるための取り組みが重要です。
海外展開での知財財産の問題
海外展開においてのリスクの中には、知的財産の侵害や模倣品の増加に対しての懸念も挙げられます。このような懸念に対しては海外出願が有効です。事業の海外展開を踏まえて、海外出願を重要視していくようにしましょう。
資金繰りが大変になることが多い?
実際に海外の現地で事業を行う中小企業のうち、販売拠点を保有している中小企業が商取引面で抱えている課題とリスクは、現地におけるマーケティング、生産拠点を保有している中小企業の場合は現地における品質の管理について問題としています。
生産拠点を保有する中小企業の約3分の2が、資金面での課題やリスクを抱えている状況で、現地においての資金需要の増加や、現地金融機関から融資が受けられないという状況に直面しているようです。
現地では企業間信用取引が少ないため現金決済が多くなり、運転資金の需要はあっても現地金融機関から融資が受けられないので資金繰りに余裕が持てないという可能性もあります。
事前に訪れる可能性のあるリスクの把握を
製造業者が海外進出した場合に抱えるリスクについて事前に把握しておかなければ、後でたちまち資金繰りなどが詰まった状態となり経営難に陥る可能性もあります。
様々な課題やリスクを想定しておくことで、いざという時に慌てなくてすむでしょう。