これから先、10年経てば日本の65歳以上の高齢者の数は数百万人一気に増えます。団塊世代は75歳以上の後期高齢者を迎え、日本の労働者は一気に介護離職を迫られる事態に追い込まれる可能性も危惧されていると言えるでしょう。
このような状況を回避するためにも、介護離職を防ぐ企業の取り組みが注目されつつあります。
中小企業でも介護離職を防ぐための対策が必要です。その理由についてしっかりと理解しておきましょう。
企業における介護離職の対策は不十分
介護離職問題は既に目に見えない進行しているわけですが、危機的な事態が迫っているにも関わらず、多くの企業で効果的な対策を立てられていない状況だと言えます。
現段階でも社員の現状を把握できていない企業が多いのですが、その背景には介護を抱える社員やそのような状況が近い社員が企業に状況を打ち明けられていないことも理由です。
打ち明けられない理由は社内での立場が大きく関係しています。介護を理由として働ける時間が短くなったとしたら、企業は対策を講じる必要が出てきますが、それが昇進に響くのではないかという不安に直結してしまうようです。
対策が講じられていても周知されていない
既に企業が対策を講じていたとしても、社員に制度の存在が周知されていないこともあるでしょう。せっかく制度を導入していても、存在すら知らなければ利用したくても利用できません。
いずれにしても、社員が介護離職という選択を選ばなくても良いように、介護と仕事を両立できやすい環境を企業が作っていく必要があると言えます。
早めの対策が先進的企業として認められることに繋がる
現在は女性が職場で活躍できるような制度も設けられ、育児と仕事を両立しやすい環境も整備されつつあります。
これと同様に、介護も仕事と両立しやすい環境が整備されていくことが望まれるわけですが、今後先進的な企業として社会的に捉えられるためにも事前に早めの対策を行うと良いと言えます。
介護離職は社員だけでなく企業にとっても大きな痛手
迫りくる介護離職の危機に対し、十分とは言えない企業の取り組みを改善させていくと同時に、働く社員の意識も改善していくことが必要です。
互いに状況を読み間違えたままでは、突然の家族の介護が必要な状況になった社員が退職せざるを得ない状況に追い込まれることになります。
それは辞めて行く社員にとって収入源を失う痛手となりますが、企業にとっても管理職の立場にある者を失う大きな痛手となるはずです。
中小企業でも早い段階からの取り組みが必要
国をあげて介護離職に対する早急な対策が必要な状況ですが、企業でもいち早く取り組みを始めているところもあります。多くが大企業を中心としたものですが、中小企業も同様に取り組みが必要になることを十分に理解しておきましょう。