事業承継に向けた経営改善と事業承継計画

経営戦略

現在、中小企業では後継者不足に悩む人が増えています。
できれば事業承継をしたいとは思っていても、経営状況が悪ければ中々難しいものでしょう。
事業承継をするには、まず経営改善をしたうえで事業承継計画を立ててみてはいかがでしょうか。
ここでは、経営改善の方法と事業承継計画について紹介していきます。

事業承継を目指した経営改善

事業承継を考えた時に、後継者不足となっている事業の多くは経営状態がそれ程良くない事が多いでしょう。
経営状態が悪い事業を承継しても、今度は自分が苦労するだけだと思えば、進んで承継したいとは思いませんよね。

承継したいと思われるためにも、まずは、経営状態を改善する必要があります。
そのためには、数年後に目指すべき事業の姿を描いてみましょう。
自分にとって、経営状態が改善した、承継したいと思えるような状態をまず考え、目標達成に必要なことを一つずつ考えて見て下さい。
目先の課題をこなすのではなく、ゴールを定めてそこまでの道のりを逆算する思考が、今の経営には求められているのです。

もちろん、現在経営がスムーズな場合でも、その状況をより良くするため、安定して長期間利益を得るためにはどうしたらいいか、という事を考えましょう。
そうして必要があると判断した場合は、具体的な経営改善案を作成して公的機関からの補助金や融資なども申請し、必要な資金を集めるべきです。
必要なことをしっかりと行って経営改善をして、承継したくなるような事業にしましょう。

事業承継計画の立て方

将来のことを考えて、事業承継に関する計画書を作成することで、問題点等にも気づきやすくなります。
事業承計画を立てる場合は、まず事業承継に関わることとなる関係者を整理して、現状を認識するところから始めましょう。
事業承継の関係者となるのは、自分の家族と役員などの後継者候補です。

また、現状認識となるのは会社等の資産と個人資産、そして会社の総資産や売り上げ、利益などです。
これらの項目を整理して、事業承継をする場合の問題点や目標などを確認していきます。

計画を立てる際は、まず今から何年後に事業承継をするかを考えます。
その後、経営理念や事業の方向性、将来どのように会社を成長させていくかという目標を決め、そのために今から何をするべきか、ということを考えていきます。

例えば長男に事業承継させる予定だとしても、その計画を立てるためにはまず本人の意思を確認する必要があります。
本人に承継する意思がなければ、計画を根本的に見直す必要があるでしょう。
本人の了承が得られたら、次は目標とする日までに行うことを考えます。

後継者教育として、場合によっては外部に出すことも考えられるでしょう。
また、セミナーなどを受講する場合もあります。
周囲への根回しも必要となり、場合によっては承継時に相続問題などでもめることがないように、あらかじめ遺産の分配についても話し合う必要があります。
株式会社の場合は、承継までに持ち株の譲渡なども行うこととなるでしょう。
アドバイザーとして、弁護士や税理士との契約を結んでおくことも大切です。
事業承継には書類などもいろいろと必要になるので、必要な時にはアドバイスを受けられるように準備しておくといいでしょう。

こうした項目について、書面にまとめておき一つずつ実行していきます。
事業承継をスムーズに行うためには、行き当たりばったりではなく考えられることはすべて事業承継計画としてまとめておきましょう。

まとめ

現在、後継者不足に悩む事業者は増えています。
その中で無事に事業承継を行うには、経営改善によって魅力ある事業としておく必要があるでしょう。
また、事業承継をスムーズに進めるためには、事業承継計画をあらかじめ作成しておきましょう。
そうすることで、事業承継に関する問題点や、事業承継をスムーズに行うために必要なことなどが明確になります。
無事に事業承継をするためには、事前準備を怠らないようにしたいものです。