リスクについて考える企業は多いのですが、その際に重要となるリスクコミュニケーションについては意識しているでしょうか?
その意味や目的を理解することで、リスクについての理解を深めることにもつながるリスクコミュニケーションは、今後意識することも増えてくるでしょう。
その意味と目的について、解説していきます。
リスクコミュニケーションとは
何らかのリスクがあった時に、そのリスクについて関係者の間で情報を交換して共有したり、直接対話して意見を交わすことでそのリスクに関しての意思疎通を図ったりすることを、リスクコミュニケーションといいます。
これには、どういった意味があるのでしょうか?
意味としては、まず共通するリスクに関係する相手として、相互の理解を深めることです。
というと難しいもののように思えるかもしれませんが、それほど大げさなものでもありません。
例えば、テレビで流れる天気予報で明日の天気や気温が発表され、注意するような内容が含まれていたとき、その内容に該当する地域であり、テレビを視聴していた人はすべからくリスクコミュニケーションの受信者となります。
また、その天気について自分の家族や友人に伝えることで、今度は発信者となるのです。
このように、リスクコミュニケーションというのはそれほど大げさなものではありません。
1対1での意見交換というわけでもないので、誰もが発信者になり、同時に送信者にもなりうるのです。
そしてその目的となるのは、単なる意思疎通ではなくそれを通じて信頼関係を構築することにあります。
そして、その結果としてリスクを避けることができれば、初めてリスクコミュニケーションは意味を成すこととなります。
お互いに相手の意見を聞いて、実際にリスクを避けるというのは信頼関係がなければできないものです。
では、実際に行うためにはどういった方法をとればいいのでしょうか?
リスクコミュニケーションの方法
実際にリスクコミュニケ―ションを進めていく場合は、その段階を5つに分けて考えます。
その最初となるのは、リスクについて情報を相手に伝えるところから始まります。
第2段階では、そのリスクについて関係者間での意見交換を行い、そして相互理解を深めたらお互いに責任を共有します。
そうすることで、関係者間の信頼構築をするのが最終段階です。
実際にリスクを回避するためには、関係者間で信頼関係がなければ成り立ちません。
ただ一方的に押し付けられた意見では、誰も信用して動いてはくれないからです。
お互いに納得したうえで責任を共有し、他人事ではないという意識を持つことで、初めてリスクの回避につながるでしょう。
この意識を構築するために必要なのが、リスクコミュニケーションです。
今後、迅速にリスクを回避していくためには、リスクコミュニケーションが欠かせないでしょう。
また、リスクコミュニケーションは古くからある隠ぺい体質とは相反する考え方です。
リスクを隠ぺいすることで、大問題へと発展した企業というのは枚挙にいとまがありません。
その危険性を認識しているのであれば、リスクコミュニケーションにも前向きになれるでしょう。
まとめ
何らかのリスクが発生したときに、その内容を関係者間で把握し、お互いに意見を交換しながら信頼関係を築き、合意を形成していくことをリスクコミュニケーションといいます。
古くから、日本の企業は隠ぺい体質といわれていますが、その結果大問題に発展してしまった事例は数多くあります。
リスクコミュニケーションという考え方は、そのような事態を避けるためには必要なものといえるでしょう。