日本の貿易において、友好国を特に「ホワイト国」として指定しており、その中には韓国も含まれています。
しかし、今回その韓国をホワイト国から除外することになりつつありますが、その理由は何なのでしょうか?
韓国をホワイト国から除外する理由とその影響について、解説していきます。
なぜ、除外されるのか?
最近のニュースでは、日本の輸出貿易管理令において指定されているホワイト国から、韓国を除外するという動きが報じられています。
その理由とは、どういったところにあるのでしょうか?
このホワイト国というのは、輸出における優遇措置を受けられる国のことをいいます。
日本では、効率よく輸出の手続きをしたい友好国をホワイト国として指定することで、包括許可制という制度の対象としているのです。
この制度は、その国に対する輸出品を包括的に一度だけ許可を受けることで、その後3年間にわたって個別品目に対して行われるべき審査を免除とすることができるというものです。
これがなければ、毎回厳密なチェックを受けなくてはいけなくなるのです。
日本から韓国に輸出している主な品目には、先端素材やセンサー、電子部品、高法相違など、戦略物資など軍事転用の可能性もある品目がおよそ1,100品目あります。
これらの品に対して、毎回個別に審査を受けて許可を得る必要が生じる、ということになります。
一部の報道やマスコミの意見では、あたかも輸出禁止になるかのような表現をしていることもあるのですが、実際には輸出する際の規定を厳格にする、というだけのことなのです。
しかし、それが毎回となると、これまで不要だったものである以上煩わしく感じることは想像に難くないでしょう。
ただし、そもそも韓国を「ホワイト国」としているのは、日本だけであり、欧米などではそのような指定をしていません。
従って、今回のことはただ韓国の扱いを欧米並みにします、というだけの話です。
それでも、大きな影響が生じる可能性は高いでしょう。
どんな影響が生じる?
それでは、ホワイト国から除外された場合はどのような影響が生じることになるのでしょうか?
その影響について、考えてみましょう。
まず、個別に許可を得なければならないので、韓国が日本から物品を輸入しようとした場合は、それぞれの用途や目的、最終的にどこで使われることになるか、などを物品ごとに申請しなくてはいけません。
また、その目的や目的地に大量破壊兵器などが関係する場合は許可されないので、用途としては軍事利用ではなく民間性である、ということの誓約書も必要となります。
手続きが増えてしまうことは間違いないでしょう。
それだけではなく、輸出しようとした品目が日本政府によって不許可となる可能性や、手続きに時間がかかって遅延となる可能性もあります。
許可を得るためには、基本的に90日かかるのです。
日本が現在ホワイト国として登録しているのはアメリカやフランスをはじめとした27カ国で、その中でアジアの国は韓国だけでした。
そこから除外することになると、韓国との貿易量は落ち込む可能性が高いでしょう。
まとめ
日本は、これまでアジアの国の中で唯一、韓国を輸出におけるホワイト国に指定して優遇措置を採っていました。
しかし、今回その指定を外す可能性が高くなったことで、今後の韓国との貿易に陰りが見えてくるかもしれません。
ただし、特に輸出禁止となるわけではなく、通常通りの審査が必要となるだけです。
そのため、一時的な貿易量の落ち込みには注意しつつ、今後の韓国との関係性に注目していきましょう。