日本の企業は海外進出が進んでいるため、海外事業での安全管理が注目されます。
海外の駐在員や出張者に対する安全性の確保は、企業の安全配慮義務からも経営者の責務と言えるでしょう。
もう一度日本との違いを再認識することが必要
何十年も前から海外進出している企業はリスク対策が不十分なままで海外事業が展開されていることも多く、その状況で誘拐や脅迫などの事件が発生した場合には経済的な損失だけでなく家族や関係者へ身体・精神の両面で苦痛を与えることになります。
海外は日本国内とは違って危険な事業環境であることを十分考慮し、これまでの海外旅行保険では対応不可能なリスクに対して駐在員や出張者、その家族などが安心できる対策が必要となるでしょう。
誘拐はどのように行われるのか
誘拐は地方型誘拐という少し人里離れた場所で発生するケースと、都市型誘拐という都市部で発生するケースがあり、それぞれ特徴が違っています。
特徴は違っていても誘拐の多くは、目的に合った人物を選んでから1週間から2、3か月入念に下調べを行い、拉致・監禁できる準備のもとで計画的に一定の犯行手順で実行されています。
誘拐されないために注意したいこと
通勤時の安全対策や住居の警備強化などが海外での生活には必要となるでしょうが、さらに海外で安全に暮らすために、目立たない、用心を怠らない、行動を予知されないことが大切になります。
そして企業は海外駐在員や出張者を守るために、様々なリスクに対応できる体制を整備しておくことが求められます。
・誘拐、脅迫、拘禁リスクへの対応
海外で誘拐・脅迫事件は多数発生している状況のため、一般企業が事件発生後に独自で解決することは困難な状況です。
事態に遭遇してしまった場合には、専門のコンサルタントなどに依頼する必要がありますのでその費用に対する備えをしておかなければ企業は存続の危機に直面する場合もあります。
・政情変化リスクへの対応
政情不安により海外駐在員や出張者を緊急避難させる必要も出てきます。
その際には交通費や諸経費など多大な経費が必要となりますが、緊急避難の方法や交通手段を手配するためにもやはり専門のコンサルタントを頼るほうが望ましいでしょう。
・傷害、疾病リスクへの対応
傷害や疾病補償で補償を確保していることも多いようですが、診療時の病院や医師の紹介。通訳サービス、メンタルヘルスといった対応をどこまでしてもらえるかが重要です。
海外旅行保険で多くの企業が対応している状況ですが、保険会社によって補償内容や付帯サービスの保険料に違いがありますので確認しておくようにしましょう。
海外赴任でも安心できるように
海外で日本人が誘拐される事件は多発しており、海外進出する企業が増える中で赴任する人が安心して仕事に専念できるためには企業の取り組みが大切になります。
日頃から危機意識を持って誘拐の予防に心がけるなどをし、いざ誘拐など緊急事態が起きた場合でも保険などで対応できるように備えておくことも必要です。