クロスボーダーM&Aのリスクや失敗要因/カントリーリスク

M&A(事業承継・事業拡大・事業撤退)

企業の合併や買収などのM&Aは盛んにおこなわれているのですが、近年は特にクロスボーダーM&Aというものが増えています。

しかし、クロスボーダーM&Aは、様々なリスクや失敗につながる要因などがあるのです。

特に、カロリーリスクは失敗する要因になるのですが、どのようなものなのかを解説します。

クロスボーダーM&Aの意味と種類

クロスボーダーというのは国境を超えるという意味で、クロスボーダーM&Aは海外企業が関わって行われるM&Aです。

一方が海外企業となるM&Aのことで、日本企業が海外に進出するケースや、海外から日本市場に参入するケースなどがあり得ます。

日本市場の成長率は低迷しているため、成長の機会が多い海外市場に目を向ける企業も多いのです。

企業が業績を伸ばして成長することを望む場合は、海外企業を取得することが効果的な手段となります。

海外企業がどのような形でかかわるのかによって、日本企業が海外企業を取得するIn-Out型、海外企業が日本企業を取得するOut-In型などがあります。

想定されるカントリーリスク

海外に進出する際は多くのリスクがあるのですが、特に避け辛いのが国や地域ごとに異なる経済や政治、社会的状況に基づいたカントリーリスクです。

どのような国、もちろん日本でもありうるリスクですが、特に政治が不安定で治安が悪い新興国では注意しなくてはいけません。

企業の収益や事業環境に大きく影響することがあるため、より正確な評価が必要となってしまうでしょう。

海外進出をするのであれば、事前に細かくリサーチをして想定されるリスクをきちんと管理したうえで、対応するための方法を考える必要があります。

近年は特に世界情勢が大きく変化しているので、カントリーリスクにも様々な変化が表れるでしょう。

具体的なリスクの内容は国ごとに異なるのですが、海外では事業を展開するうえで以下の点に注意しておく必要があります。

リスクの高さ

政治が安定していない新興国の場合は、急に法律が変更されて規制されたり、ルールが追加されたりすることもあるでしょう。

経済や治安などが不安定な国や地域であれば、特にリスクは高くなってしまうかもしれません。

投資がハイリスクハイリターンか

新興国は、投資をした場合にリスクが高くなるのですが、成功した場合のリターンが大きくなることもあります。

リスクを把握したうえで適切に理数マネジメントができれば、経済的な成長のチャンスを追求できるでしょう。

進出国の投資に関連するリスク全般

海外に進出する際は、法律やビジネス環境、文化、規制など多くの点に違いがあるため、日本と同じように事業を展開することができません。

どのようなリスクがあるのかを調べて、現地に行って確認したうえで分析をし、リスクの影響を最小限にすることで成功する可能性は高くなるのです。

海外進出におけるカントリーリスクの重要性

海外進出には多くのリスクがあるのですが、特に各国の特色に基づいたカントリーリスクというリスクには注意が必要です。

海外では、新たな市場の獲得や投資による利益などのメリットがあるのですが、言葉や文化、法律などの違いがあるため、簡単にはいきません。

カントリーリスクを考慮しない危険性

カントリーリスクは、きちんと考慮した上で進出しなければ、事業を始めても収益性が悪化してしまい、安定した収益を上げるのは難しくなるでしょう。

事前にリスクを把握して対策をしておくことで、海外進出を成功させて最大のリターンを得られるようになります。

企業は、海外に進出する前にリスクを評価してどう管理するかを考えて置き、慎重に検討していく必要があるのです。

カントリーリスクの要因は?

カントリーリスクの要因は主に4つあるのですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

政治リスク

海外では政治的に安定していな国も多いため、進出する前に政治の状態や政策の変更、紛争などが起こる可能性がないか等、様々な点から安全性を確認しておきましょう。

安定した情勢でなければ、海外に進出しても企業活動が上手くいかず、資産も保全できなくなる可能性があるのです。

経済リスク

海外では、事業活動を行っている国の経済状況が重要となり、為替レートの変動による為替リスクなどがあります。

また、インフレや景気の変動なども重要となるため、きちんと調べたうえで事業を行わなくてはならないのです。

企業が安定して事業経営を行うことができるか、企業が収益を上げられるかは様々なリスクが影響するため、事業計画自体が変更になることもあるでしょう。

社会リスク

新興国の中でも、独自の文化を持っていたり社会通念上の行動が大きく異なったりしている国に進出した場合は、失敗する可能性が高くなってしまいます。

ビジネスを円滑に進めるためには、現地に即した行動をするようにして、現地の人との認識をすり合わせる必要があるでしょう。

どのような文化を背景としている社会で、消費者は何を求めているのか、適した戦略は何かという点を調査したうえで、進出してください。

近年起こった事例としては、中国では反日活動の一環として不買運動が起こり、ベルギーでは連続テロ事件が起こったのです。

自然・環境リスク

国によって起こりやすい自然災害は異なり、気候も変動する地域などがあるので、生産や物流には大きな影響を与えることもあるでしょう。

日本であれば、地震大国と呼ばれるほど地震が多く、海に囲まれているため津波が起こることもあり、さらに噴火が起こることもあります。

日本以外でも、大洪水が起こったタイや、火災が起こったノートルダム大聖堂などは事業活動に大きな影響を与えたのです。

まとめ

海外企業が関わるM&Aを行うことをクロスボーダーM&Aというのですが、海外との取引ではカントリーリスクがあり、失敗する要因の1つになっています。

カントリーリスクは、国が持つ特有のリスクのことで、海外の中でも特に新興国は大きなリスクがあるということが多いでしょう。

海外に進出するのであれば、事前の調査を綿密に行い、想定されるリスクへの対策を練る必要があります。