社会保険制度への理解を
設立間もない企業だと社会保険へ加入するための知識が不足している場合もありますが、制度の仕組み、加入対象者、負担金額などを理解しておく必要があります。
健康保険とは
健康保険は病気、ケガ、出産、死亡に備えるための公的医療保険制度です。保険者は協会けんぽや健康保険組合です。
厚生年金保険とは
老後を迎えた時、負傷や疾患などで障害が残った時、加入者が亡くなった時に必要な給付が行われます。国民年金は全国民が対象ですが、厚生年金保険は「保険」と名称についているように保険的な意味があります。
介護保険とは
要介護認定を受けた65歳以上の人、もしくは40歳以上64歳以下で特定疾病により介護や支援が必要だと認められた人が、介護福祉サービスなどを利用することができる制度です。
社会保険の仕組み
社会保険は国や地方公共団体などの機関が管理運営している社会保障の1つです。一定の基準を満たした法人、個人事業主、個人は強制加入となり、公的負担、事業者負担、本人負担の3種類があります。法人が社会保険に加入する場合、法人と個人がそれぞれ負担を行います。
社会保険は事業所の内容によって、加入が義務のある「強制適用事業所」、もしくは任意加入の「任意適用事業所」の2種類に分けられます。どちらの事業所に該当するか加入義務が発生するかどうか変わります。
任意適用事業所となる始業所
・従業員5人未満の個人事業所
ただし任意適用事業所とする場合には、従業員の半数以上の同意が必要です。同意を得た場合には従業員全員に適用することになります。
・個人事業主運営の従業員5名以上の事業所で、以下の業種に該当する事業所
飲食業、娯楽業、宿泊業、サービス業、農林水産業、労働者派遣業、職業紹介業、政治・経済・文化団体
強制適用事業所となる事業所
・株式会社などの会社組織で運営する法人事業所
・個人事業主運営の従業員5名以上の事業所で、任意適用事業所の指定を受ける業種以外の事業所
強制適用事業所が社会保険に加入しない場合
強制適用事業所であるにもかかわらず、社会保険に加入しなかった場合には罰則を受けることになります。雇用保険・労災保険は6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金、健康保険・厚生年金保険は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金を払わなければなりません。仮に摘発された場合には、最大2年間に遡って保険料を徴収される可能性があります。
社会保険に加入する大切さ
少子高齢化社会へと移行していく中で、社会保険に対しての負担額は増加する傾向にあります。法人にとっては社会保険料が大きな負担となる場合もあるでしょう。しかし社会への最低限の責務として、適用事業所である場合には加入する必要があります。健全な運営を行って行きましょう。