未払い残業/就業規則がとても重要に

近年労使間で起きているトラブルの原因のほとんどは就業規則の不備によるものです。書類や手続に不備があれば、いくら会社が主張しても証明するものがありませんので通りません。
裁判になった場合には就業規則の内容を確認されますが、労基法でも就業規則の作成や届出に違反した場合、作成・変更に関しての規定に従わない場合、さらに規定に違反した場合などは30万円以下の罰金を支払わなくてはならない旨が規定されています。


労使間で多いトラブルの内容は「未払い残業代」の請求
特に労使間では未払い残業代を巡るトラブルが多く見られます。従業員側と会社側の主張が食い違うケースも多く、就業規則などに規定がなければ会社が主張しても証明するすべがありません。
問題が生じる以前の予防策としても、就業規則の内容を今一度確認しておくことが必要ですが、その際どのような点に注意すれば良いのか確認していきましょう。

・就業規則の見直しに必要なこと
就業規則をインターネットや書籍などの雛形をそのまま流用したものの場合、会社の実態が伴っていない内容になっていては意味がありません。
就業規則に残業についてのルールを明確に定めておくことが必要ですし、例えば残業代を定額払いするなら、計算の根拠や内訳等の内容まで明記しておくことが必要です。
所定労働時間と法定労働時間の差異によって、支払わなくて良い割り増し残業代を支払っているケースもあります。変形労働時間制や裁量労働制等を導入するなど、残業代の無駄についても考えて行く必要があるでしょう。

・雇用契約書の見直し
雇用する時間や期間が限定される契約社員や嘱託社員、パート社員の雇用契約書は作成していても、正社員は雇用契約書を作成していないといった会社もあります。
就業規則より厳しい内容で雇用契約書を作成することはできませんが、従業員によって勤務時間や賃金など条件が異なる場合には、個別の条件を細かく定めることが必要になりますので雇用契約も再度見直しを実施しましょう。

・就業管理体制の見直し
タイムカードや出勤簿など、勤怠管理のツールについても業種や勤務体系によって適したものになっているか見直ししましょう。見直すことによって、業務効率化やコスト削減も期待できます。
安心して業務に励むことを可能とするためにも
法律で決まっているから就業規則が重要なのではなく、会社と従業員のどちらも安心して業務を行う環境を整備するために必要と言えます。
また、従業員は労働基準法など多くの法律で守られている状況ですが、会社を守るのは法律ではなく就業規則が重要です。
現在多い未払い残業代を巡るトラブルなどで問題が大きくならないためにも、必ず就業規則の作成や見直しは行う様にしましょう。