中小企業で考えて行く上で退職金制度を検討するケースもあるでしょう。しかし退職金原資をどの様に積み立てていくかを良く考えておかなければ、そこから経営にも影響を及ぼすリスクに繋がってしまう事があります。
退職金が不足するとどうなる?
退職金制度は法律で強制されていませんので、資金に余裕がなければ無理に導入する必要はありません。
しかし退職金制度を導入し退職金規程を作成したのなら、従業員などに対して退職金を支払う義務が生じます。規定通りに支給しなければ訴えられるリスクを抱える事になりますので、退職金制度を導入するのなら積立金が不足しない様にする事が重要です。
退職金の積立金が不足する理由とは?
退職金として積立てた金額が不足する理由として、退職規定と積立制度が合致できていない事が挙げられます。
退職金規程を策定するなら、従来の勤続年数に応じて支給する金額も上がる様にする、もしくはポイント制にするといった方法がありますが、おおよその相場が基準となるでしょう。
その一方で生命保険などを利用し、支払える範囲で退職金を積立てていく事になりますが、決めていた支払金額と積立金額に差が生じると、支給段階で資金不足になる可能性が出てきます。
退職金規程を策定して時間が経っている場合には?
退職金積立に利用する生命保険などの金融商品の利率は、その時代の景気の影響を受けます。景気が良ければ解約返戻金の金額も大きくなりますが、景気が悪ければ金額は少なくなります。
退職金規定が景気の良いときに作られていれば当時の利率で計算されていますので、景気が悪い時に退職金を支給すると不足が生じます。
不足が生じたらどの様に対応する?
もし退職金の資金が不足してしまうと、借入などで補わなくてはいけなくなるので、定期的に退職金規定と積立金額を見直し、退職金規程の定めと積立金額が合う様にしておきましょう。
定期的に退職金規定の見直しを
退職金の積立不足は、退職金規程と積立金額が合っていない事が原因です。資金不足にならないためにも自社の現状を把握し、その時代に合う退職金規定を作成しておく事が重要です。
また、退職金規程を策定する時には死亡退職金についても定める必要があります。保険による積立分などで不足が出れば企業が負担する必要が出てきますので、支払う事ができない死亡退職金の規定を作成しない様にし、既に退職金制度を作成している場合でも定期的に見直しをしましょう。