契約書の作成時における留意事項と弁護士活用

法務リスク

取引の際には、後のトラブルを回避するために契約書を交わすこともあります。
ただ、普段から契約書を交わしているのであればともかく、滅多に契約書を交わすことがない業種の場合、契約書を作成する時に戸惑うこともあるでしょう。
今回は、契約書の作成時における留意事項について紹介していきます。

契約書の作成時における留意事項とは?

さて、契約書を作成するときにはどのような点に気を付ければいいのでしょうか?
まずは、契約書を作成する意味を考えてみましょう。

契約書を作成する意味合いとして最も強いのは、「トラブルの防止」です。
契約書がなければ、取引において責任の所在がどこにあるのか、また、何らかの事項が取引内容に含まれていたかどうか等について明確化されません。

例えば、家電製品を購入して故障した場合、1週間以内であれば初期不良として交換でき、1年間は保証期間として一定の範囲内で無償修理しますが、それ以降であれば有償での修理となる、というのも一種の契約です。

また、大型家電についてはその場で持ち帰るか、もしくは配達してもらうか、設置まで依頼するかを購入時に決定しますよね。
これも契約の一種であり、例えば「購入時に配達だけ頼んだけれど、急に設置もお願いしたくなった」といわれても、応じることができません。

こうした内容について、たとえクレームが出たとしても契約書があれば、購入時に契約した内容に沿ったものだと抗弁することができます。
これが口約束だった場合は、そうそう強気に出ることはできないでしょう。

契約書というのは、いわばその取引におけるルールブックです。
どちらが悪いのか、誰が見てもはっきりと分かるようにするために、契約書が必要とされるのです。
たとえ、今まで契約書なしでの取引実績がある相手であっても、万が一トラブルが生じた時のために、契約書を作成しておく方が円滑な取引を続けられるでしょう。

弁護士を活用しよう

契約書については、インターネット上でひな形を見つけることもできますし、書籍でも同様に見つかるでしょう。
しかし、こうしたひな形に書かれているのは汎用性が高いものであり、最低限必要な項目などが含まれているだけということが多いので、具体的なトラブルなどを予見したものではありません。

きちんとした契約書を作成する場合は、弁護士に依頼して作成することをお勧めします。
弁護士は様々なトラブルの解決に関わっているので、どのようなトラブルが起こりうるかを予見することができます。

また、契約書の文章が曖昧であれば解釈次第で不利になることもありますが、弁護士は裁判官をはじめとした中立の立場にいる人が正確に判断できる文章を書くことができるため、契約書の内容を明確にすることができます。

契約書を作成する際には、様々な法律に基づいて契約内容を決定しなければいけない場合もあるのですが、そういった点を見落とさないためにも弁護士を活用したほうがいいでしょう。
弁護士といえば、裁判の時に依頼するイメージがあるかもしれませんが、こういった取引においてトラブルをあらかじめ防ぐのも弁護士の役割なのです。

契約書の内容というのは、おおよそ企業の業務内容で必要となるものが決まっています。
そのため、取引対象に企業と個人がいる場合は、それぞれの契約書を一度作ってしまえばいいだけですので、契約書の必要性を感じた時は一度弁護士に作成を依頼してみてはいかがでしょうか。

まとめ

契約書というのは、取引におけるトラブルを防ぐ意味合いがあります。
契約書がなければ、トラブルがあった時にその責任の所在などを一から話し合うこととなるため、あらかじめそのことを定めた契約書を交わしておいた方が無難です。
契約書を作成する場合は、自分で作成するよりも弁護士を活用して作成を依頼した方が、より分かりやすいものができるでしょう。