大企業では、法律トラブルが起こった時に備えて社内に法務部を置いている事が多いのですが、中小企業ではそれ程出番もなく、コストの面からも法務部などを置いていない場合も多いでしょう。
しかし、中小企業だからといって法律的なトラブルが無いとは限りません。
トラブルに備えるためにはどうしたらいいのでしょうか?
顧問弁護士は、中小企業にこそ必要
顧問弁護士といえば、よく耳にするのが大企業の会見などです。
大企業でのトラブルがニュースとなった際に、顧問弁護士が代理人となってコメントを出すことが多いので、印象に残っている人も多いでしょう。
そのことから、「顧問弁護士を用意するのは大企業であって、うちのような中小企業には関係ない」と思う人が多いのですが、そんなことはありません。
中小企業こそ、顧問弁護士が必要となるのです。
大企業の場合、顧問弁護士以外にも社内に法務部を置いている事が多いのです。
法務部は、自社の事業の中で法律に違反する事が無いか、ということを日々チェックしています。
また、トラブルがあった際も、それが法律と照らし合わせて顧問弁護士に相談するべきことか、あるいは社内で解決するべきことか、といった判断も行っています。
しかし、ほとんどの中小企業には、法務部がありません。
そのため、何かあった時にはその責任を責任者が負うとともに、裁判が必要かどうかの判断もしなくてはいけません。
判断が難しくても、弁護士へと気軽に相談するのは難しいので、時には判断を間違う事もあるでしょう。
経営者には、ある程度の法律知識は必要となります。
しかし、専門家ではないので、全てを理解しておくというのは不可能でしょう。
そこで、法律について詳しく、また、気軽に相談できる立場となってもらえるように、顧問弁護士という存在が重要となるのです。
顧問弁護士は、いうなれば社外に用意する法務部です。
最近では、会社の業務内容の一部を社外に委託するアウトソーシングが増えていますが、顧問弁護士というのも法務部の業務をアウトソーシングするようなものなのです。
顧問弁護士の仕事とは?
顧問弁護士というのは、常に会社にいるわけではありません。
必要に応じて会社へと赴くか、または電話での相談を受け付けるような立場です。
しかし、契約をしていない弁護士とは異なる部分が当然あります。
まず、顧問弁護士に対しては、毎月決まった金額を会社が支払うことになります。
この金額は契約内容によっても異なりますが、毎月数万円から、という事が多いようです。
顧問弁護士となる事で、法律相談については気軽に行うことができます。
基本的な契約として法律相談が含まれている事が多いので、基本的には何度相談しても無料となるでしょう。
そのため、些細な事でも気軽に相談することができます。
また、トラブルが起こってから弁護士を雇うとしても、業種によってはまずビジネス内容を理解してもらうところから始めなければいけない場合があります。
しかし顧問弁護士の場合は、契約を結んだ時点で業務内容については調べているので、きちんと内容を理解した上でのアドバイスを受けることができます。
また、契約書を作成する時に、いちいち弁護士に相談する中小企業は少ないのですが、契約書の内容は法律と関係する事も多いため、弁護士に依頼した方がスムーズに契約書を作成できます。
そういった依頼も、気軽にできるようになるのです。
こういった理由から、法務部を置いていない中小企業は、弁護士との顧問契約を結ぶべきと言えるでしょう。
まとめ
中小企業にとっては、法務部を置くコストは無視できない金額となるため、法律関係のトラブルが起こった時、いちいち弁護士を探さなければいけない場合が多いでしょう。
しかし、そういった中小企業にこそ顧問弁護士が必要なのです。
そうすれば、法律相談は些細な事でも気軽に相談できますし、トラブルの解決もスムーズになります。
社外にある法務部だと思って、契約を考えてみてはいかがでしょうか。