一般的に債務不履行リスクとは、国や企業などの発行体が利払い日における利息支払い、満期償還時に支払うべき償還金を支払えなくなるリスクのことを言います。
デフォルトリスクや信用リスクとも言われています。
企業分析に信用リスク分析は欠かせない
企業分析には、企業価値、経営戦略、経営組織、そして信用リスクといった分野が存在します。
ここでピックアップする企業の信用リスクに対しての分析とはどういったことを言うのでしょうか。
債務不履行リスク=信用リスク=信用性があるかどうか
具体的には企業における信用リスクとは、企業が借入した資金などの負債を期日どおりに支払う能力があるかどうかです。
負債の返済ができなければたちまち企業は倒産します。そのため倒産リスクの点検にも繋がるものが信用リスク分析です。
返済能力の調査は簡単ではない
ただし負債の返済能力を調査するためには、企業の負債総額、利益等返済原資などを比べるだけでできるわけではなく、多面的に企業を分析する必要があります。
収益力の高い事業を営んでいて利益をコンスタンスに生み続けていることが負債を返済できる能力を確保していることになります。
採算性が取れた事業かどうか
信用リスクを分析するには、経営の要素である、人、物、金、情報などの調査が必要となります。
どの程度の競争力で企業が位置している産業が斜陽産業化していないかなど、色々な方面からリスク要因を調べていくことになり、それらを行った上で企業の安定性や成長性、収益力を総合的に分析することになります。
そのため採算性が取れている状態で事業を行っているかを分析することになるでしょう。
債権の焦げ付きによる連鎖倒産も
取引相手の信用リスクを分析する際には、やはり取引相手の状況を把握することが重要となります。
有価証券報告書の作成義務のある大手企業の場合には、ある程度の経営内容を把握することは比較的容易です。しかしそれ以外の企業についての状況を把握することは困難です。
取引相手の信用リスク分析することは、債権の焦げ付きを回避することに繋がるためそれによる連鎖倒産を防ぐことができます。
与信管理で危険を回避
取引先が倒産してしまい売上債権の全額が回収できなくなれば当然損失が発生します。
危険な取引先なのか安全なのかを知るためには、与信管理も必要になるでしょう。
販売先に対して商品の代金を回収するまでの信用を与えることを与信といい、信用を与える間の売上債権を管理することを与信管理といいます。
取引先の危険レベルに応じた取引の規模や可否を考えるという方法で、万が一取引先が倒産した場合に損失となる手形や売掛金などの売上債権分の残高を調整します。
企業を経営していく上で、与信管理という管理方法によりリスクを管理することも必要です。