突然のリストラから労働者を守る法律とは?

大企業は大規模なリストラ、そして生産の海外移転を進めている状況で、中小企業と地域経済の役割は今後さらに拡大していくようになるでしょう。

そのような中で金融円滑化法が終了し、中小企業の資金繰りは厳しさを増している状態です。

TPPの参加は日本市場に対して一層強い支配を行い、中小企業が倒産し失業と貧困を拡大することにもなり兼ねません。

経営が苦しくなればリストラなど解雇や早期退職といったことも検討せざるを得なくなるでしょうが、法律で労働者がどのように守られているかを前もって知っておく必要があるでしょう。

解雇は法律で制限されている

労働契約法には一般的な解雇制限規定が設けられています。

また、労働基準法には一定の労働者に対して解雇禁止規定と手続き規制が置かれていますし、雇用機会均等法、労働組合法などにも一定の規制があります。

労基法による解雇規制

労基法では、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない」と定められています。

解雇から守るのは業務上のケガと病気のみ

労基法で解雇が禁じているのは業務上のケガと病気の時ですので、労災認定される労働災害などが該当します。

労災で休業していた日数が1日でもあれば、その後の30日間は解雇から保護された状態となりますが、症状が固定した場合にはそれ以降解雇禁止は適用されなくなります。

私生活でケガや病気を患って休業した場合には当然解雇からの保護はされません。

出産にともなう女性の保護

産前休暇を取得せず就労している女性にも解雇禁止が適用されるかどうかは、産前休業は女性から請求があってはじめて取れるものであるという性質や違反には罰則が課されることからも否定的に考えられる状況です。

しかし使用者が産前休業を取得させないような取扱いをしている場合、その間の解雇は禁じられていると解されます。

解雇禁止にも例外がある

労働者が療養開始してから3年を経過してもケガや病気が治らない場合には、使用者は平均賃金1,200日分の打切補償を支払えばその後は労基法上の災害補償義務を免れることができます。

また、天災事変などやむを得ない事由が起きた場合にも例外として認められますが、事業所が火災で消失した場合または大地震で倒壊した場合などがこの事由に該当します。

税金滞納で事業廃止した場合や事業ミスで資金繰りができず操業不能に陥った場合は該当しないことになっていますし、該当性については労働基準監督署で認定を受ける必要があります。

リストラなどが発生しないように

突然リストラや解雇になればそれまで働いていた従業員は路頭に迷うことになります。

そのようなことにならないように、企業は従業員とその家族を守っていく運営を行っていく必要があると言えるでしょう。