テレワークの導入を進めている企業が多い一方、中々導入に踏み切れない経営者もいるでしょう。
業種的に難しい場合もありますが、従来とは違った雇用環境に戸惑いを隠せない人も、未だ少なくありません。
実際、良い話題が取り沙汰されるテレワークにも、雇用管理の企業リスクがあります。
導入前に今一度考えてみましょう。
テレワーク最大の難関である長時間労働の回避に向けて
テレワークを実施する際に、雇用管理で企業側が注意しなければならないのは、労働時間に関することです。
従来までの働き方では、同じ場所で従業員が作業することになりますので、始業時間や定時が決まっていましたよね。
ですが、テレワークになってしまうと、この部分が曖昧になってしまうのです。
実際に導入している企業では、始業・終業時間に合わせてメール等で連絡するようにしていますが、柔軟性を尊重している場合もありますよね。
そうなると、人によっては労働時間がきちんと把握できないのです。
しかし、把握できないことは悪いことなのかと感じる人もいるでしょう。
実は、指定時間内に仕事が終わらないと、そのまま残業してしまう恐れがあるのです。
通常の場合でも残業することはありましたが、時間的な区切りは設けられていましたよね。
一方、テレワークだとどうでしょうか?
就業時間を区切るための仕組みは、自分の裁量でしかありません。
そのため、あと少しと思っていたら、思った以上の労働時間になってしまいますよね。
従って、企業側で従業員の労働時間をしっかりと把握しなければ、長時間労働をさせてしまっている、止められなかったということになり兼ねません。
これは、企業管理の問題に留まらないことをご存知でしょうか?
慢性化すると、従業員の健康問題にも発展してしまいますから、企業側のリスクはどんどん膨らんでしまうことが分かりますよね。
通常時の勤怠管理だけでなく、業務面のスケジュール管理や時間外に業務を行う場合の連絡システムを確立しておくことは、長時間労働を避けるためにも大切です。
人事評価をどうすべきか?
もう一つ想定されるリスクは、従業員の評価に関するリスクになります。
みなさんは、従来までの評価システムがどのような内容だったかを覚えていますか?
自己評価できる内容もあれば、上司や同僚からの評価等を含めて判断されますよね。
しかし、テレワークで同僚の働きぶりを見る機会はあるでしょうか?
確かに、アプリ等でやり取りする機会はありますが、対面で仕事をする場合とは違いますよね。
そのため、人事評価をする場合の材料が少なくなり、混乱を招いてしまうリスクがあると言っていいでしょう。
特に、テレワークを始めて導入した企業は多いですから、導入1年目にどう対応すべきか、経営者・従業員の双方が戸惑いますよね。
人事評価に関するリスクの対応策は、評価システムの見直しにあります。
今までは業務の成果だけでなく、過程を重視することが多かったでしょう。
ですが、テレワークでは過程よりも業務の成果が求められます。
つまり、成果に注目して判断すると、評価がしやすくなると思いませんか?
成果を重視するというのは、今に始まったことではありません。
自分が何をしてきたのか、それで判断してもらうというのは、利益を追求する企業経営にとって当たり前の考え方になりますよね。
評価システムを見直し、新しい項目を設けるというのが、一番の対応策になるでしょう。
評価による不満は、企業におけるトラブルのきっかけになりますから、新体制に合った内容の形成は必要不可欠です。
まとめ
今回は、テレワークによる雇用管理における企業リスクについてご説明しました。
最大の企業リスクは、長時間労働と人事評価です。
特に、長時間労働は周囲の環境だけでなく、本人の健康を阻害してしまう可能性がありますから、時間面の管理は以前以上に取り組まなければなりません。
柔軟な働き方が実現できるテレワークですが、自由過ぎると企業側が把握できず、問題が発生してしまいますので、ルールの周知は徹底しましょう。