IT企業における契約トラブルを防ぐためには契約書が大切

契約を口約束のみで行うと、どのような内容かが不明確になりますし約束したことを証拠として残すこともできません。
口約束のみでは言った言わないという水かけ論になる可能性もありますので、後に証明をするためにも約束ごとは書面化してトラブルを未然に防ぐことが必要です。


契約書で約束を明確に確定させる
契約した内容を契約書として書面化することにより、その内容を明確に確定させることができます。
ただし書面化した表現が曖昧なものでは意味がありませんので、内容も十分検討することが必要です。
IT企業特有の法律問題とは
IT業界では固有の法律問題を抱えていますので、他の業界より複雑になっている特徴があります。
IT業自体近年に生まれたという特徴があるため、急速に発展するための法整備が追いついていない状況であることが理由とも言えます。
まずは現状で整備されている法律とすり合わせていくことが必要不可欠になりますので、契約書や規程・規約など、目に見えるルール作りでトラブルを防ぎ、IT業界特有の労働問題に対する策は積極的に実施していくことが大切です。
習得したい法律知識
ガイドラインや法令を理解し守り続けていくことは必要ですし、IT業界の多くで扱う知的財産権に関係する製品やサービスに対して知的財産権の権利保全、営業秘密の保持、同業他社への転職の制限といった競業避止について管理していく必要があります。
IT業界の契約で問題となるのは?
取引の対象は目に見えない無形物であること、成果物のイメージができないものであるということもあります。
IT業界の契約実務では、取引に関しての用語の定義について詳細にしておき、確定と検収を重視して作成します。
ソフトウェア業界であれば、完成とは何を基準にするのか、動作条件や不具合の範囲など様々な用語について詳細に定義として確定付けていくことが必要です。
その上でそれを前提に、成果物が仕様に適合しているかについて検収することになります。
契約形態による契約対象の違いに注意
ソフトウェアやハードウェアの業界の契約形態は、取引対象の完成を目的とする請負契約になることが多いです。
しかしインターネット業界やSI業界などは、一定業務を行うことが目的の準委任契約であることが多いため、契約の対象が複合的になることや入れ替わることもあるため注意しましょう。
契約書作成には法令の理解が必要
IT業界は大企業がたくさんの下請会社に発注する形式になっていることが多く、発注側と下請側の資本の差で発生する義務などを理解し、下請法に沿う契約も必要になります。
IT業界で契約書のトラブルを防ぐためには、遵守するべき関連する法令を理解し、自社の事業方針や事業計画に合った内容になっているかを契約書作成前に確認することが必要です。