企業を取り巻くリスクは様々なものがありますが、活動を行う上で悪影響になるリスクは低減させていく必要があります。
どのようなリスクがあるかを特定し、活動や稼働力、そして資産など経営を守るために必要な機能を運営・管理していくことが必要になります。
事業リスクの種類
企業を取り巻く事業リスクには、次のようなものがあると考えられます。
・戦略リスク
商品価格、設備投資、事業承継、M&A、海外進出など、企業の経営者が自ら判断するリスクが戦略リスクです。企業が成長していくことを左右する経営そのものであると言えるでしょう。
・金融リスク
株価、為替、金利、地価、債券、デリバティブなど財務的なリスクが金融リスクです。経営者の方針に基づいてそれぞれの部門が権限を持ち、その行為に相互牽制された上でコントロールされているリスクです。
・ハザードリスク
地震や水害、台風、火災、疫病、事故、戦争、テロといった外来的なリスクを指します。
・オペレーショナルリスク
法律違反、製造物責任、社内不正、事務的ミス、リコールなどの、業務活動を行う上で内部に原因があると考えられる内在的なリスクです。
それぞれのリスクの特徴
戦略リスクや金融リスクにはプラスの要素もありますので、これらのリスクを取り扱うかどうかでリスクの定義を分けることができます。
ハザードリスクやオペレーショナルリスクはマイナス要因しかないリスクだと言えるでしょう。
事業目的を遂行するために必要な部門
企業には経営者をはじめ、それぞれのビジネスラインや製造、販売などの各部門が存在します。ただしリスクマネジメントの観点から見た場合には、事業目的を遂行するために4つの部門で考えることが必要です。
・経営者
事業目的を遂行するために株主から委任を受け、経営判断を行いそれぞれの業務の執行を行います。
・リスクマネジメント部門
業務を実施するため、そして付随する阻害要素を排除するために、日常的な予防活動を統括し、事件や事故が発生した時には経営者を補佐し危機管理の対応や保険手配などの対応を行います。
・監査部門
企業方針が適切に実現できているか、独立した立場から各部門を監査して問題点を指摘していき改善できるようなアドバイスを行います。
・各部門
それぞれの部門に与えられた権限の範囲で、業務執行に関する日頃の予防活動や事故・事件への対応を行います。
今後経営を守るために必要なこと
今後は部門毎というよりは、企業経営全体を見た体系化が必要になるでしょう。現場でもマイナスを防ぐだけでなく、事件や事故などが起きた場合の教訓を業務や製品改善などに生かすといった付加価値の構築も必要になると考えられます。