問題社員をかかえてしまった!企業は?

どの時代でも会社にとって問題になる社員は存在しているものですが、仮に問題社員を抱えていたとしても高度経済成長時代は会社にも余力があった為、対応できていました。しかしリーマンショックや東日本大震災という経済危機を迎え、現在は問題社員を抱えた状態で対応できる余力はなくなっていると言えるでしょう。
問題社員については会社に貢献できる社員へと変えていく必要がありますが、対応を尽くしても変える事のできない社員は、退職してもらうという選択を選ばざるを得ない可能性もあります。


問題社員の行動パターンとは?
まず会社にとって問題になる社員の行動パターンを確認すると、勤務態度の悪さ、力量不足、改善努力が見えないなど様々です。
無断欠勤や遅刻が多く、勤怠不良でルールを平気で破るケースや、コミュニケーションが円滑にできず他の社員と衝突を繰り返すケース、業務効率が極めて悪くミスを頻発させ、取引先とのトラブルも多いなど、いずれのケースも会社の規律を乱し士気を低下させ、結果として業績を悪化させる可能性が出てきます。
問題社員に会社を去ってもらいたい場合
教育や指導など様々な手段を試みても改善されなければ、経営者は問題社員に会社を去ってもらうという判断を下すことが必要なケースも出てくるでしょう。
そのためにも就業規則を再度見直して、トラブルが起きた時に対応できる内容になっているか確認しておくことが必要です。
就業規則の規定の見直しが必要
仮に会社を去ってもらう必要のある問題社員がいる場合には、就業規則の解雇事由が明記されているか確認しましょう。
解雇事由が明記されていないと不当解雇で反対に訴えられる可能性がありますので、想定できる解雇事由を列挙してき、最後に「その他前各号に準ずる事由があるとき」と包括的な規定を記載しておくことが望ましいでしょう。
解雇事由に該当してもすぐ解雇できるわけではない
なお、解雇事由に該当すればすぐに解雇に直結するわけではありません。例えば営業成績がいつまでの伸びない、協調性に欠けていて勤務態度も良くないといった理由は解雇の理由に繋がりません。
法的には社会通念上相当であると認められる場合とされているので、注意や教育、指導、配置転換など様々な手を施したけれど、問題社員に改善の意志がないと判断できる時に解雇ができると考えられるでしょう。
遅刻や欠勤を繰り返しても解雇ができないケースに注意
遅刻や欠勤を繰り返す社員については、そもそも労働者には遅刻や欠勤の権利はありませんので、労働契約上の債務不履行に該当します。結果として本来なら普通解雇事由になりますし、正当な理由がないのなら職場秩序を守るという意味で懲戒解雇事由に該当します。
ただし問題社員に度々遅刻について注意はしていても指導を行っていなかった場合や、始末書を取ってなかった場合、遅刻を理由に解雇すると無効と判断される事がありますので注意しましょう。
また、裁量労働制の労働者や幹部社員は本人に勤怠管理を委ねていますし、フレックスタイム労働者はいつ仕事を始めていつ終わるかを労働者自身に委ねています。そのため勤怠不良でも解雇できないケースとして挙げられるでしょう。