物価が上昇して通貨価値が下落する
将来物価は上昇するといわれていますが、物価が上昇するということは正確に言うと通貨価値が下落することになります。このインフレ(インフレーション)といわれる状況は、これまでは100円で購入できていたものが150円や200円出さなければ購入できなくなります。
インフレの何が問題か?
例えば1個100円のりんごが10,000円まで上昇するような事態を「ハイパーインフレーション」といいます。インフレが起きることは悪いことではありませんが、ハイパーインフレという状況になると経済的な安定性が失われてしまうので望ましくないでしょう。
おきてはいけないインフレは他にもあり、例えば円安がそれにあたります。円安で物価が上昇した場合や、豪雨や台風の影響で野菜が生産されなくなって値段が上がるという供給側の都合によるインフレは良くありません。給料自体は変動しないため、物を購入することができなくなります。このようなインフレは「コスト・プッシュ・インフレ」と呼ばれています。
逆におきて良いインフレもあります。例えば給料が上がり、物を欲しがる人が増えたことで物の値段が上がる場合などです。需要が増えたことで物の値段は上がっても、購入を希望する人の収入が増えていれば購入することができます。このようなインフレを「ディマンド・プル・インフレ」と言います。
デフレとは何
デフレ(デフレーション)とはインフレとは逆に物価がどんどん安くなることです。貨幣サイドから見た場合には通貨価値が上がることになります。デフレの場合には将来的に物が安くなることを見込む人が消費を先送りしてしまいます。先送りにして物が売れなくなると経済は停滞するという現象に陥ります。
貯金と借金への影響は
インフレになると通貨価値が下がりますので、現在預金している実質価値は将来目減りするということになるでしょう。逆にデフレになれば通貨価値が上がります。
これが借金になると別です。借金が100万円ある場合、インフレにより通貨価値が下がれば返済負担も目減りすることになります。インフレの時には賃金も上昇するため、借金返済の負担は軽くなるでしょう。しかしデフレの場合はこれと全く逆の現象が起きることになります。
将来的にインフレが予想されるのなら
現在預金で運用しているという人もいるかもしれません。しかし増やすという意味では銀行預金では増えませんし、それどこか将来インフレになれば実質価値も下がることになります。
もしも今使うお金ではなく、将来必要になる資金として預金しているのであればそのままにして価値を下げてしまうよりもインフレに対応した運用方法を選択することが望ましいでしょう。個人でも法人でも、先々使うことになる資金の備えをしっかりと準備しておくことが大切になります。