あなたが製造業を行っており、海外輸出を行っている場合PL訴訟リスクは常に付きまといます。そこで今回はアメリカへ輸出する際のPL法対策について解説させて頂きます。
アメリカのPL法とは?
PL法は国によって内容が異なります。
今回取り上げるアメリカでは、製品がアメリカ国内のどこで使用されていても、さらには契約上で免責条項を設けていてとしても、被害者が万が一提訴した場合は、製造業者は必ず応訴しなければなりません。
また、PL訴訟を行われた場合に関係する事業者のどこまでが被告となるかついては州によって異なりますが、多くの場合製造業者だけでなく、輸出業者や商社・販売業者なども含まれます。
近年の傾向としては、衣料品関連の訴訟件数が増加しており、2015年には日本の製薬会社がPL訴訟され、その和解金として総額3,241億円という莫大な金額の引当金を計上したと報じられています。
このように海外においけるPL訴訟はその会社の存続する危ぶむほどの額に膨れ上がることもあり、日本国内以上に対策を行っておくことが重要です。
PL法対策といて海外PL保険を検討しよう
PL法対策方法はいくつかありますが、そもそもで言えば、やはりそのような訴訟が起きない製造を心がけることにあります。
つまり、社内での製造安全対策の徹底や、起こり得るリスクの未然防止などはもちろん、社外にむけても安全対策におけるデータの公開やISO取得などのアピールを行うことも必要でしょう。
また、万が一商品に不具合が発見された場合でも、迅速でかつ手厚いフォローを行うことも求められます。
このような基本的な対策を行なった上で、必ず検討するべきこととして海外PL保険に加入することです。
先ほども例に挙げたようにアメリカでのPL訴訟の賠償額は非常に大きくなる傾向にあり、会社の存続が非常に危ぶまれます。そのため日本国内以上にPL保険によるリスクヘッジが重要だと言われています。
PL保険付保の方法ですが、おすすめは2つあります。
1つは経験十分なアメリカの保険会社と提携している国内保険会社に付保する方法。もう一つは、輸入業者との契約上の定めに基づいてアメリカ保険会社に共同付保する方法です。
もちろんアメリカ向けのPL保険は、他国に対してのものと比べると保険料が高くなる傾向がありますが、訴訟リスクを考えるとやはり経験豊富な保険会社でのPL保険付保はおすすめです。
今回はアメリカに対するPL法対策について解説させていただきました。
これらの内容は国によって少しずつ異なる場合が多いですから、あなたが進出を検討している国のルールを調べることをおすすめします。