海外でビジネスを行っていれば、日本では考えられないリスクに巻き込まれることがあります。そういったリスクはできる限り事前に把握しておくべきです。
そこで今回は知っておくべきカントリーリスク、日本語で政情不安について解説させて頂きます。
カントリーリスクとは?
まずはじめにカントリーリスクについて解説です。
あなたの企業が海外展開をおこなっているとして、その展開先の国や地方の社会や経済状況の変化に伴い、損失が発生したり資金の回収ができなくなったりすることをカントリーリスクと言います。
具体的には、急激な為替変動や国債のデフォルト、政権交代による経済・通商政策の変更・戦争や内乱・自然災害などがあります。
これらの影響を受けて、予定していた売り上げに届かなくなったり、取引先企業から売掛金の回収ができなくなったり、人の確保が難しくなりサービス品質低下に繋がるなどのリスクが複合的に発生します。
実際、テロの危険などでお店が変えられないことやデモで日系企業の店舗が破壊されるなんてニュースも近年見ることがあります。
これらをカントリーリスクと言い、海外展開する上では切っても切れないリスクなのです。
他にも日本企業が政情不安の影響を受けた例は多数あります。
例えば、2009年にギリシャにデフォルトの危険性が高まったことにより、ユーロ相場や株価が急落し、金融市場が大きく混乱したことがありました。
これにより欧州全体の経済が落ち込み、結果として日本の自動車や電機関連の輸出企業の収益はかなり落ち込んでしまいました。
貿易保険を活用しよう
これまで解説してきたカントリーリスクは先読みすることが非常に難しいため、実際起こってしまった際の損が一を最小限にする努力を行う方は適切と言えるでしょう。
輸出関連企業は、為替変動のリスクを最小限に抑えるために、為替予約することが一般的ですが、他にも貿易保険を活用することがいいでしょう。
貿易保険には、輸出代金の回収不能に備える貿易一般保険や、輸出先の経営破綻やテロなどのカントリーリスクをカバーしてくれる海外事業資金貸付保険などがあります。
また、リスクを分散するという考え方も重要です。
一つの国にだけ進出をしていては、カントリーリスクをモロに受けてしまうため、いくつかの国に生産拠点をわけるなども検討するべきでしょう。
このように海外ビジネスには懸念するべき点が非常に多くあるのです。
カントリーリスクが万が一発生した際は、迅速な対応が必要になるため、予め対処法などを決めておくべきでしょう、