経営者はなぜ孤独なのか?

事業運営リスク

みなさんは成功している経営者に対してどのようなイメージを持っていますか?
例えば、お金持ちで何事にもポジティブ、行動力があり、物事に積極的に取り組んでいる、というところでしょうか。
ですが、華やかなイメージばかりではありません。
特に「経営者は孤独である」というイメージには、何が影響しているのでしょうか?

「孤独」なイメージは何をもって形成されるのか?

経営者が孤独になりがちな背景には、業務上の経営者ならではの特性が関わっています。
例えば、経営上の最終的な判断は、誰がすることになりますか?
その答えは、もちろん経営者になりますよね。

確かに、最終判断を下すまでに、部下や様々な人と対話をすることになります。
ですが、判断に関しては、経営者以外の誰かが代わりにすることはできません。
「最終的な判断を下す=経営者が責任を負う」という図式が、経営者に限らず、私たちの常識では確立しているでしょう。
これが、孤独に繋げている要素になります。

いくら従業員との関係性が良好であっても、仮にワンマン経営であっても、責任を負うのは従業員ではありません。
その時々によって、誰かに責任を負わせるということはできませんよね。
つまり、重要な意思決定になればなるほど、経営者は孤独になりやすいのです。

ですが、この孤独を一概に悪く捉えていない経営者もいます。
例えば、従業員の協力が前提であっても、自分で企業を軌道に乗せた、重大な判断を行ったという達成感を持っている経営者もいるでしょう。
このような成功体験の経験があると、孤独をプラスに考えることもできますよね。
孤独というイメージは、悪い方向にも良い方向にも働くと言っていいでしょう。

精神的な不安から「孤独」を生み出すことも

一方で、経営者の手腕の部分でなく、精神面の観点から孤独になりやすい場合もあります。
例えば、経営者の立場になると、従業員や周囲の人から「立場が違う人」という風に見られがちになりますよね。
そのため、本音で話ができない、相手に気を遣われてしまうといったことから、相談相手を見つけにくいといった傾向があります。

困った時に相談できる相手がいないのは、経営者に限らず、1人の人としても辛い状況になりますよね。
自分の弱い部分をさらけ出せないという部分は、孤独に繋がる背景になるでしょう。
また、自分の弱さだけでない事情が関わっている場合もあります。

例えば、仕事に関わらずプライベート等で信頼している人に裏切られた、という経験があった場合、みなさんはどう感じますか?
人を信じない方が良い、人間不信になると思ってしまうことがありますよね。
経営者の立場では、常に信頼できる人がそばにいるとは限りません。
中には、自分を出し抜こうとしたり、裏切るような行動をしたりする人もいるでしょう。

このような精神的なダメージを回避、軽減するためには、全面的に相手を信頼するということをしない方が良いのです。
企業の経営をしていく上では、従業員に対しての信用は不可欠です。
ですが、あまりにも過度に信頼を置いてしまうと、何かあった時のダメージは計り知れません。
つまり、一定の信頼は必要であっても、過度にし過ぎない距離感を保つのが、経営においてはベストになりますよね。

疑心暗鬼の状態までいかなくても、人を全面的に信頼できない状況を、寂しいと感じる人もいるでしょう。
従業員との関係性に安心できないという事情は、経営者の心にも孤独感としてのしかかってきます。
本音で関わるのは、経営者にとってハードルが高いのです。

参考URL  THE OWNER
(https://the-owner.jp/archives/2383)

まとめ

孤独感は、些細なことでも生まれます。
経営者にとっては、1人で責任のある判断をしなければならない状況が多々ありますから、孤独な状況に置かれがちです。
また、精神的に他者に頼れない、人をどこまで信頼していいのか分からないという部分で、孤独感を感じてしまう人もいるでしょう。
孤独感は、経営者の職業病とも言われているくらいで、最悪の場合、身体・精神的な健康面に影響を与えますから付き合い方には注意して下さい。