ビジネスを展開する上でリスクは避けられないものですが、リスクは企業の成果や持続性に影響を与える可能性もあるのです。
ビジネスにおいては五大リスクと呼ばれるものがあるのですが、具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか？
ビジネスにおける五大リスクについて、解説します。
ビジネスにおけるリスクとは？
企業の活動や経営における意思決定には、少なくないリスクが存在していることもあるのです。
ビジネスにおけるリスクは企業の利益や評判、保有する資産、市場シェアなど様々な面で悪影響を及ぼすこともあります。
ビジネス環境が変化したり、競合他社の動向や規制の変化などがあったり、あるいは技術の進歩などがビジネスリスクの原因となるのです。
企業はビジネスリスクに備えて管理策を講じ、リスクを最小限に抑えることを求められます。
ビジネスリスクの種類
ビジネスにおけるリスクは様々なものですが、大きくどのような種類に分類することができるのでしょうか？
まず経済的リスクという、経済的な要素が原因となって生じてしまうリスクがあり、景気や通貨、金利が変動することで起こります。
経済的リスクには主に3つのリスクがあり、１つ目のマーケットリスクは市場変動や経済的要因によるリスクです。
様々な市場でリスクが起こる可能性があり、株価や金利、商品価格の変動などが主な要素となっています。
２つ目は為替リスクで、異なる通貨での取引や海外市場への進出の様に国際的なビジネス活動を行った際に起こりうるリスクです。
通貨を両替する際の為替レートが変動することで起こるリスクで、企業の収益やキャッシュフローに影響し、損失が生じる原因になってしまうこともあります。
３つ目は物価上昇の影響によって起こるインフレーションリスクで、企業の原材料や需要の変動、コスト上昇、価格設定の難易度の上昇などの影響を受けるでしょう。
企業は価格変動を適切に予測して、価格設定を見直したり原材料の調達について考えたり、インフレヘッジ商品を活用したりする必要があります。
２種類目のリスクは、法律や規制が変更されたり知的財産権が侵害されたりするなど、法的な問題に関連したリスクである法的リスクです。
まずコンプライアンスに関わるリスクがあり、企業が法律や規制に適合する義務を果たさない場合に起こります。
法律違反となると、罰金や制裁などを受けて企業の信頼性が損なわれてしまうため、最小限に抑えるために法務部門を設置するなどの対策が必要でしょう。
企業が自社の特許や商標などの知的財産権を保護できない場合もリスクがあり、不正競争や侵害などが起こって損失を被ってしまうかもしれません。
契約条件などに違反してしまうことでリスクが生じることもあり、契約違反になると損害賠償を請求されることもあるでしょう。
3種類目のリスクは人的リスクで、従業員が離職したり人事がミスをしたりすることで生じることがあります。
企業が優れた従業員を失ってしまうと、経済的損失や生産性の低下などの原因となるため、離職の要因となる点は適切に対策しておくべきでしょう。
適切な人材を確保して長期的に雇用できない場合もリスクがあり、企業の成長や競争力に大きく影響を与えます。
十分な知識やスキルを持った従業員を確保できない場合もリスクとなり、業務の効率性や品質に悪影響を及ぼしてしまうのです。
気候変動や自然災害、環境規制などの環境に関連したリスクが、４種類目となる環境リスクに当たります。
環境的なビジネスリスクとしてまず環境汚染のリスクがあり、企業の活動によって環境に悪影響を与えたり、環境破壊に関連してしまったりすることがあるのです。
企業の生産活動や排出物の処理が適切でなければ、土壌や大気、水などの環境要素に有害物質が放出されてしまうかもしれません。
環境汚染が起こると、生態系を破壊して地域の健康被害を及ぼす可能性もあり、法的制裁などのリスクにつながる可能性もあるでしょう。
企業は、環境汚染のリスクを最小限に抑えるよう尽力する必要があるため、環境にかかる負荷を軽減するための技術やプロセスを導入する必要があります。
また、環境規制や法令を遵守して、環境保全活動に参加するなどの取り組みも求められるでしょう。
企業が地震や台風、洪水、火山の噴火など自然災害によって被害を受ける可能性がある場合は、自然災害リスクがあります。
自然災害によって、企業は施設や資産が破壊され、生産活動が中断されてしまい物流やサプライチェーンの混乱などが生じる可能性もあるのです。
自然災害リスクは、地域の気候や地形の違いで特性も異なるのですが、企業はリスクを適切に評価して、管理を行わなくてはいけません。
防災施設を整備して保険を活用し、事業継続計画を策定するなどの対策を講じておけば、自然災害リスクを軽減することができるのです。
企業は、経済を成長させて利益を追求することを目的としていますが、一方で社会的責任や環境への影響、ガバナンスの課題などに対処する必要もあります。
企業の持続可能な発展に対して生じるリスクのことを持続可能性のリスクといい、企業のブランド価値の低下や法的制裁、顧客の信頼喪失などが起こるかもしれないのです。
競合他社の動向や需要の変動、市場の変化などの市場環境に関わるリスクが５種類目のリスクで、市場リスクというのです。
ビジネスリスクの詳しい内容は、企業や業界によって異なるため、まずは自社を取り巻くビジネス環境や業界のリスクについて、理解する必要があります。
自社を取り巻くリスクについて理解したら、リスクに対して適切な対策を講じることが重要となるでしょう。
まとめ
事業を展開していく中で、避けることができないのがビジネスリスクですが、ビジネスリスクには様々な種類があります。
法的なリスクや市場リスク、経済的リスク、人的リスク、環境リスクなどに分けることができ、対処方法もそれぞれ異なるのです。
しかし、詳細なリスクの内容は事業内容や業界によって異なるため、まずは自社を取り巻くリスクを把握して適切に対処することが重要となります、
