現在は、多くの企業でITの導入が進んでいます。
それは中小企業でも例外ではなく、パソコンやスマートフォンの導入はしているのですが、その一方で有効に活用しているとは言い難い部分もあります。
中小企業が可能なIT活用としては、どのようなものがあるのでしょうか?
現状のIT活用状況
現在、中小企業ではどの程度ITを導入して、どのように活用しているのでしょうか?
まず導入状況を見ると、業種によって多少の差はあるものの全体的に7割から8割の企業がパソコンなどのハードウェアを導入しています。
また、ソフトウェアの導入状況を見ると、こちらも6割から7割の企業で導入されているというデータが出ています。
それは、まだ2割から3割の企業はITを導入していないということを示しています。
企業において、ITの利用方法として最もわかりやすいものは、記帳作業への利用でしょう。
パソコンを利用して記帳作業を行っている中小企業は、全体の8割ほどとなっており、その中でも会計ソフトを利用している企業は約7割にとどまっています。
また、財務や会計、人事、販売などの分野にITを利用している企業は多いものの、カスタマーサービスや物流、開発・設計、清算、社内の情報共有といった分野においては、そもそもITを利用するようなシステムがないことも多いために、利用割合は低くなっています。
このような利用状況の中で、中小企業がどの程度IT投資を重要と考えているかというと、重要と考えている企業は約6割となっていて、4割近くの企業はIT投資を重要とは考えていません。
その理由としては、IT活用による効果を十分に理解していないということもあるでしょう。
中小企業では、どのようなIT活用が可能なのかを考えてみましょう。
IT活用の方法
実際にIT投資を行っている企業と、行っていない企業との売上高を比較してみると、業種によっては2倍以上の差が出ていることがあります。
また、売上高経常利益率の比較はそこまで顕著ではないものの、やはりIT投資をしている企業が平均して上回っているというデータが出ています。
ただし、グラフを比較しただけでは、その差の原因となったのが本当にIT投資の有無なのか、他の要因なのかが判別できません。
そこで、IT投資を開始した企業と、IT投資をしていない企業のそれぞれの売上高経常利益率の変化という形で比較してみましょう。
IT投資開始企業は、IT投資前が2.6%であったのが、IT投資を開始してから3年後には3.8%に伸びています。
それに対して、IT投資を行っていない企業は3.0%から3年で2.6%に下がり、その後3年で再び3.0%まで回復しているだけ、という結果が出ています。
この結果から、IT投資による効果には大いに期待できるということがわかるでしょう。
それでは、どのような方法でIT活用をしていけばいいのでしょうか?
まず行うべきことは、自社のホームページ作成と、SNSの利用です。
以前から、IT活用を考えた場合はまずホームページ作成が頭に思い浮かぶのですが、最近ではSNSを利用する企業も増えたことで、Facebookを利用してホームページの代わりにする企業も増えています。
電子商取引を導入する企業も増えています。
企業同士の取引に用いる場合や、BtoCの形式での顧客に対する小売りなどの形態がありますが、売り上げの拡大だけではなくコストの削減、処理速度の向上などの効果がみられます 。
業務システムを導入することで、作業の効率化を図る企業も少なくはありません。
導入までは上記2つよりも時間や手間がかかりますが、人手不足の解消などにつながるため、従業員が不足している中小企業は積極的に導入するべきでしょう。
まとめ
ITの導入については、中小企業でも少なくない割合で導入されているのですが、その一方で有効に活用している企業は少ないのが現状です。
中小企業がITを活用することで、業績が飛躍的に伸びた事例などもあり、人手不足の解消につながるケースもあるため、積極的にIT投資を行うべきでしょう。
まずは一般的なITの活用事例を知って、どの方法なら自社でも有効となるのかを考えてみましょう。