企業の業績が悪い場合、経営側が取る手段を、私たちは容易に想像できますよね。
それは、かかる人件費を削減するということです。
リストラとまではいかなくとも、経営を立て直すためには必要な手段だと思う人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。
今回は、人件費削減のリスクについてご説明したいと思います。
人件費の削減は、社員のモチベーションに直結する
最初に想定されるリスクとしては、社内のモチベーションの低下になります。
これは、リストラだけでなく、給料を減らす形で削減を行った場合も同様のことが言えるでしょう。
例えば、事情が説明されたとしても、給料が減る場合を考えてみて下さい。
社員の中には、頑張っても給料が減ってしまうならば、頑張る意味がないと感じてしまう人もいますよね。
リストラによって社員が減ってしまうと、自分の仕事が増えると感じてしまう人もいるかもしれません。
また、家庭を持っている人ならば、生活が苦しくなってしまうということも想像できるでしょう。
そうなると、その会社で頑張りたい、働きたいと思えるでしょうか?
このような状態では、日頃のモチベーションも低下してしまいますし、同じ業種でもしっかりとした給料が確保できる会社に行きたくなりますよね。
その結果、転職者が出てしまうというリスクも出てきます。
転職のリスクでとても厄介なのは、本来は会社にいて欲しい有能な人がいなくなってしまうという点にあります。
つまり、人件費を削ってしまうと、有能な人材を手放すきっかけを作ってしまっていることになりますよね。
社内環境や人材の流出を考えると、人件費の削減はあまり好ましい方法ではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか?
また、このリスクは社内だけに留まりませんので、問題は根深いのです。
人件費を削減した企業の客観的評価はどうなる?
人件費の削減のための行動は、社外から見るとどのように見えるのでしょうか?
その答えは、非常に明確です。
単純に、会社の経営状態が良くないのだなと感じてしまうでしょう。
なぜなら、会社の経営の観点から見ると、人件費の項目は真っ先に見直す対象となる項目であることが分かっているからです。
最悪の状況になると、このまま取引していては危ない、巻き込まれてしまうと、他社からの取引が止まってしまうリスクが出てきます。
他の会社も、自社を守ることが最優先ですから、仕方がないことかもしれません。
そうなると、会社の収入源が無くなってしまいますから、より悪循環になってしまうことが考えられるでしょう。
つまり、人件費削減に関する社外の人に対しての印象は、基本的に良くないと思って下さい。
また、大規模なリストラをしたとなると、世間からのイメージはどうなるでしょうか?
安易に経営が悪いというだけでなく、企業自体のイメージにも繋がってしまいますよね。
特に、理不尽な形で辞めさせられたという人がいるとなると、みなさんはどう感じますか?
ちょっとひどいな、可哀そうだと感じるでしょう。
このように、世間からのイメージの低下につながってしまうリスクも抱えていると言っても過言ではありません。
人件費に関しては、経営者ならば誰もが真っ先にメスを入れる項目になりますが、安易に行ってしまうと社内社外を問わず、数多くのリスクを背負ってしまいます。
そうなると、業績の回復を見込むことは、非常に困難になってしまいますよね。
経営を見直す際は、様々な手段が他にもありますし、もしも人件費に注目するならば、上記のリスクがあることを知っておいて下さい。
リスクを知っておくと、回避できる手段やより良い方法を探すことができ、最悪の状態は回避できるかもしれませんね。
参考URLクラウドスタンプ
(https://www.cloudstamp.jp/column/cost-reduction/personnel.html)
まとめ
今回は、人件費削減のリスクについてご説明しました。
社内の収支を見直す際、人件費は真っ先に注目される項目ではありますが、安易に着手してしまうと大変なことになります。
金銭的なテコ入れは社員の生活にも直結しますし、安心して働くことができない環境になってしまうことを意味します。
まずは、人件費以外で見直すことができる項目を探し、そこから改善を始めてみるのも方法の1つでしょう。