良い業績が残せるかどうかは、主に経営者自身の手腕にかかっていると思う人は多いでしょう。
確かに、それにより状況が変わることはあり得ますから、間違いではありませんよね。
しかし今、組織の中身にも注目しなければならないという考え方が出てきています。
今回は、”ティール組織”という形態についてご説明しましょう。
新しい組織の在り方~ティール組織の内容について~
みなさん、“ティール組織”と呼ばれる組織の在り方をご存知でしょうか。
よく分からない人のために、まずは、これがどのような組織なのかご紹介します。
ティール組織とは、その組織が掲げている目的に対して、状況に臨機応変に対応しながら進化をしていく組織になります。
大きなポイントは、”進化する”というところです。
一般的な組織の在り方として、これまでであれば、例えば上の立場の人からの命令に従う、一部の立場の人しか権力や情報を持てないというような状況が多かったと思います。
今でも、上の立場の人の命令にただ従って仕事をする、というような組織は依然として多いでしょう。
このような組織は俗に、ピラミッド型と言われていますが、中にはそうした在り方に納得できない人もいるかもしれません。
なぜなら、人の指示を聞いて仕事をしているだけでは楽しくない、仕事を通して成長ができないと考える人もいるからです。
仕事をしつつも、自己実現を行いたいと考えている人にとっては、従来の組織形態だとあまり好ましくない状況であることが伺えますよね。
一方で、ティール組織の場合、個人で仕事の内容を考え、上下関係がないような環境で仕事をしてもらいます。
その結果、個人の得意分野を活かしながら成果を出すことができますし、より効率的に仕事が進むようになるでしょう。
また、役職によって報酬が決まるというような古い価値観もありませんので、仕事の協力関係における合理形成がしやすくなるというメリットもあるのです。
無駄な人間関係における労力が少なくなりますから、より仕事に集中できる環境を作り出せると言ってもいいですよね。
この組織の在り方は、今までの組織の価値観を打開するものになるでしょう。
なぜティール組織が注目されるようになったのか?
ティール組織は、仕事の効率化ができるだけでなく、人間関係も円滑に運ぶことが分かりました。
しかし、このような組織の在り方が注目されるようになったのには、何か背景があるのでしょうか?
実は、従来の組織の価値観と現代人の働き方がミスマッチしつつあることが、このティール組織の由来となっています。
現在の労働環境は、昔と比べると徐々に良くなってきていると言われていますよね。
例えば在宅でも仕事ができる環境が出来始めたり、仕事をするにあたり便利なツールがたくさん開発されたりしたこと等が挙げられるでしょう。
そうなると、従来の組織の価値観では、対応できない、想定できなかったことが発生してきますよね。
その最たる例は、働く目的や価値観です。
みなさんの中にも、働くことはお金を得るだけでなく、スキルを得たい、得意分野を伸ばして活躍したいと思っている人がいるでしょう。
近年は、仕事を通して自分に何ができるのか、何をしたいのかを考える人が増加傾向にあるのです。
上記のようなニーズに当てはまる人にしてみると、仕事の命令だけを聞いていればいい、ただ作業だけをしていればいいという組織は肌に合いませんよね。
こうした働き方の価値観の変化から、ティール組織に注目している企業が増えているのです。
もちろん、これは経営側にとっても大きなメリットになります。
実際、日本だけでなく世界を通して見てみると、試みた企業の多くが成功を収めていますから、試してみる価値はありますよね。
参考URL INOBER
(https://inober.com/hr_topics/topic_21)
まとめ
今回は、ティール組織についてご説明しました。
この仕組みを取り入れて成功した企業は多いですが、1回で成功したというわけではありません。
何でもそうですが、不備のあった箇所を何度も見直しながら、企業全体にとって良い状態を導くまでには時間がかかります。
誰もが仕事のしやすい環境というのは企業の特色によって違いますが、時節を読むということは忘れないようにしましょう。