生産性を向上させるために必要なプログラム「EAP」とは

職場パフォーマンスを向上させるためのプログラム

Employee Assistance Programの略称が「EAP」で、行動科学や心理学の観点より企業と個人に職場でのパフォーマンスを向上させるための解決策を提供するプログラムのことです。従業員支援プログラムとも呼ばれています。

メンタルヘルスケアを中心としており、特に職場不適応状態に陥ってしまった社員のケアなどに利用されています。しかしEAPの本来の目的は、メンタルケアに限らず組織の生産性向上を目的としていることから、仕事でのパフォーマンスに影響する個人問題への支援を対象としています。

EAPで行われること

組織全体が健康的に機能することができるように、従業員それぞれが十分に能力を発揮していけるような支援が行われます。問題となるのは様々な職場へのストレスですが、上司や部下と関係、キャリアについての悩み、セクシャルハラスメント問題、その他夫婦や育児、介護についてなどプライベート部分での悩みまで、生産性に影響する課題の原因を見つけ出しそれと客観的に向き合いながら解決できる糸口を探していきます。

心の健康回復を行う

企業経営が複雑化しているのは経済環境が厳しく変化しているためです。それに適応するための戦略方法、組織作り、人を動かすことが必要になっていきます。EAPは現在ヒューマンリソース戦略の対策の1つとして位置づけられていますが、元々は心の健康回復を促すためのプログラムとして米国で誕生しました。

仕事や個人的な悩みなどで問題に直面した社員は、仕事に対する意欲を失いパフォーマンスを低下させます。EAPによるメンタルへルス対策では、そのような問題を早期発見し解決できるための支援を行うため企業全体の生産性の向上に繋げることができるでしょう。さらには環境の変化への適応する力を向上させ、挑戦する力をつけさせるなど社員が成長していくため施策として機能していきます。

EAPは人と企業を守るプログラム

企業を経営することは同時に様々なリスクを背にすることになります。労災認定基準の緩和により、労災訴訟で企業側が敗訴する例が相次いでいます。その中で安全配慮義務を果たしながら、訴訟が起きるリスクを回避するという危機管理の一環として大きな意味もあります。健康、経営、訴訟など、様々なリスクを低減させ、労災を未然に防止し医療コストを抑制します。また、ストレスによる疾患を予防し、早期発見が可能になることで人材損失が起きることを防止することにも繋がり、離職率や休職率が低減できます。

従業員の支援が企業の向上に繋がる

企業が目的とする生産性の向上は、従業員一人ひとりがパフォーマンスを最大化することで可能です。そのためには、従業員が抱える様々な問題を解決に導くことが必要になります。EAPはそのためのプログラムと言っても過言ではありません。